べったら市とは
べったら市とは、毎年10月19日・20日に、東京都中央区の寳田恵比寿神社(日本橋本町)を中心とした大伝馬町・本町界隈で開かれる市です。商売繁盛を願う「恵比寿講」に合わせて立つ江戸時代からの市で、名物の麹漬け大根「べったら漬け」を売る露店が通りを埋めつくします。日本橋の秋の風物詩として親しまれてきました。

正式名称:日本橋恵比寿講べったら市(主催:日本橋恵比寿講べったら市保存会)
べったら市の由来と恵比寿講
べったら市の起源は、江戸時代の中ごろにさかのぼるとされています。もともとは10月20日の「恵比寿講」の前日に立つ市でした。恵比寿講とは、商家が商売繁盛を願って恵比寿さまを祀る行事のこと。その準備のため、寳田恵比寿神社の門前で、お供えや神棚、魚や野菜などを売る市が開かれたのが始まりです。
数ある商品のなかで、とりわけよく売れたのが麹漬けの大根でした。この漬物が評判を呼んで市の主役になり、いつしか「べったら市」と呼ばれるようになったと伝わります。商いの町・日本橋ならではの、にぎやかな由来というわけです。
市の中心となる寳田恵比寿神社は、徳川家康の町づくりで村ごと現在地へ移ってきたと伝わる、商売繁盛の恵比寿さまを祀るお社。普段は静かな小さな社ですが、この二日間だけは大勢の参拝者でにぎわいます。
べったら市とべったら漬けは何が違う?
名前が似ているため混同しやすいのですが、両者は別のものです。「べったら市」は二日間だけ開かれる市(イベント)、「べったら漬け」はそこで売られる漬物(食べ物)を指します。市の名が漬物に由来しているので、ふたつは切っても切れない関係にあります。
もうひとつ気をつけたいのが、土地の名前。市は「大伝馬町のべったら市」と呼ばれることもありますが、その中心にある神社は日本橋本町の寳田恵比寿神社です。江戸の頃からの町名と今の住所表示が少しずれているため、地図で探すときは寳田恵比寿神社(中央区日本橋本町3-10-11)を目印にすると迷いません。
今のべったら市の楽しみ方
べったら市は毎年10月19日・20日の二日間に開かれ、江戸の活気をそのまま今に受け継いでいます。べったら漬けの露店をはじめ、飴細工や屋台などおよそ500店が立ち並び、二日間でおよそ10万人ともいわれる人出でにぎわいます。開催時間など最新の詳細は、公式(中央区観光協会)で確認すると確実です。
夕暮れどきからが、この市のもうひとつの見どころ。神社前の大提灯と、界隈に連なる1,500を超す提灯に灯がともり、昼間とはまるで違う幻想的な夜祭の表情を見せます。仕事帰りにふらりと立ち寄って、できたてのべったら漬けを一切れ味わう。そんな楽しみ方が、働く人の多い日本橋らしいかもしれません。
Topicそもそも「恵比寿講」って、どんなお祭り?
べったら市の背景にある「恵比寿講」は、商家が一年の商売繁盛を願い、釣り竿と鯛をかかえた恵比寿さまをお祀りする行事です。七福神のなかでも恵比寿さまは「商いの神さま」として特に親しまれ、日本橋のような商人の町では一年でも大切な祭礼でした。お店ではこの日、恵比寿さまにお供えをして、家族や奉公人をねぎらったといいます。べったら市のにぎわいの根っこには、「商売繁盛をみんなで願う」という、商いの町ならではの願いが流れているのです。
べったら市に関するよくある質問
- べったら市の中心は寳田恵比寿神社ですか、椙森神社ですか?
- 中心となるのは寳田恵比寿神社です。少し離れた椙森神社も恵比寿さまを祀りますが、露店が門前に集まり主役となるお社は寳田恵比寿神社のほうです。
- 市で買ったべったら漬けは、持ち帰ってすぐ食べた方がよいですか?
- はい。べったら漬けは麹で漬けた浅漬けで足が早く、長くは持ちません。冷蔵庫に入れて、なるべく早めに食べきるのがおすすめです。
