日本橋とは
日本橋とは、東京都中央区を流れる日本橋川に架かる橋で、江戸時代から続く日本の道路網の出発点です。現在の橋は明治44年(1911年)に造られた石造りの二連アーチ橋で、1999年(平成11年)に国の重要文化財へ指定されました。橋の中央には全国の道路の起点を示す日本国道路元標が埋め込まれ、欄干では麒麟や獅子の青銅像が街を見守ります。「日本橋」は橋・地名・駅名のどれを指すこともありますが、ここでは橋そのものを取り上げます。

日本橋の歴史 江戸とともに架け替えられてきた橋
最初の日本橋が架けられたのは慶長8年(1603年)、徳川家康が江戸のまちづくりを進めていた頃のことです。家康が江戸に幕府を開いたのと同じ年に、新しい都の象徴として生まれました。翌慶長9年(1604年)には日本橋を起点として五街道が定められ、全国の主要道路の出発点、今でいう国道網の0キロ地点に当たります。
その後は火事や洪水のたびに何度も架け替えられ、今の橋は20代目に当たるとされています。現在の石橋が完成したのは明治44年(1911年)のこと。西洋のルネサンス様式を取り入れた造りに、麒麟や獅子という東洋の意匠を重ねた、和洋折衷の橋という点が大きな特徴です。
橋の長さは約49メートル、幅はおよそ27メートル。日本橋川をまたいで二つのアーチが連なる姿は、明治を代表する石造の道路橋として高く評価されています。土木の設計は米元晋一ら、装飾の監修は建築家の妻木頼黄が担い、橋を飾る青銅像は彫刻家の渡辺長男が手がけました。
「日本橋」は橋・地名・駅のどれ?東京と大阪の違いも
日常で「日本橋」と言うとき、指すものは大きく三つに分かれます。橋そのもの(このページの主題)、日本橋室町や日本橋人形町を含む広い地名、そして東京メトロや都営地下鉄の日本橋駅です。会話では取り違えが起きやすいので、どれを指すのか文脈で確かめると安心でしょう。
もう一つ紛らわしいのが大阪との違いです。東京の日本橋は「にほんばし」、大阪市浪速区の日本橋は「にっぽんばし」と読み、場所も歴史も別物。電気街として知られるのは大阪の方で、本メディアが扱うのは東京・中央区の「にほんばし」です。
橋の上で出会える麒麟・獅子・道路の起点
実際に橋を渡ると、中央の照明柱の根元に翼を広げた麒麟像、四隅には東京市の紋章を抱える獅子像が見つかります。足元の路面にはめ込まれているのが日本国道路元標。ここが日本の道路の起点で、今も日本橋を始まりとする一般国道は7本あります。
かつての東海道に当たる国道1号、日光や奥州へ向かう街道に当たる国道4号などがその代表で、江戸の街道が今の幹線道路にそのまま受け継がれているのです。
橋の上を覆う首都高速道路は、いま地下へ移す工事が進んでいます。この高架は1964年の東京オリンピックに合わせて日本橋川の上に架けられたもので、半世紀以上にわたり橋の真上を覆ってきました。地下ルートは2035年度、高架の撤去は2040年度の完成予定(2026年6月時点)で、実現すれば日本橋の上に青空が戻る見込みです。
毎年7月には地元の人々が橋を磨く橋洗いも行われ、長く街に大切にされてきた橋であることが伝わってくるでしょう。
Topic日本橋の麒麟には、なぜ翼があるの?
橋の中央に立つ麒麟像をよく見ると、背に翼があります。麒麟はもともと翼を持たない伝説の霊獣ですが、日本の道路の起点であるこの橋から、人や物が日本中へ飛び立っていくようにとの願いを込めて、特別に翼が添えられたとされています。原型を手がけたのは彫刻家の渡辺長男。何気なく通り過ぎる橋の装飾にも、起点ならではの思いが宿っているのです。
日本橋に関するよくある質問
- 日本橋は誰でも渡れますか?通行は無料ですか?
- はい。日本橋は一般の道路橋なので歩行者も自由に渡れ、通行は無料です。橋の上には国道も通っています。
- 橋の中央にある「日本国道路元標」はいつ置かれたものですか?
- 日本の道路の起点を示す路面の標識で、現在のものは昭和47年(1972年)の道路改修の際に設置されました。ここから各地への道のりが測られてきました。
- 「橋洗い」とはどんな行事ですか?
- 毎年7月に地元の人々が日本橋を磨く清掃行事です。長く橋を大切にしてきた地域の習わしで、夏の風物詩になっています。
