日本橋夜とは
日本橋夜とは、小林清親が1881年(明治14年)に手がけた、ガス燈のともる夜の日本橋を描いた錦絵です。読みは「にほんばしよる」。清親が「光線画」と呼ばれる風景版画で注目を集めた明治9〜14年の、終わりの年の作品です。
橋の上から見通す、灯りと影の往来
国立国会図書館が公開する一枚は、橋の上に立って向こう岸を見通す構図です。手前の両側に背の高いガス燈が立ち、中央を馬車や人力車が、両脇を人々が行き交います。人も車も黒い影で表され、足元には灯りが落とす影。中央区まちかど展示館の解説も、ガス燈に照らされた人や車のシルエットを見どころに挙げています。
同じ解説によると、日本橋にガス燈が設置されたのは1875年(明治8年)3月。本作は、その6年後の日本橋の夜を描いた一枚です。
日本橋トピック♪版元は日本橋の長谷川町
東京都立図書館の書誌には、版元として「長谷川丁十九バンチ 福田熊二良」と記録されています。長谷川町は、いまの日本橋堀留町二丁目にあたる旧町名。日本橋の夜景を、同じ日本橋の町の版元が世に出していたわけです。同じ版元の刊行で、清親が大伝馬町の大丸呉服店を描いた一枚(清親畫帖 大傳馬町大丸)も、国立国会図書館の同じ画帖に収められています。地元の版元が、移り変わる町の姿を錦絵にして届けていたことがうかがえるでしょう。
日本橋夜に関するよくある質問
- 日本橋夜の大きさと版元は?
- 国立国会図書館の『清親畫帖 [3]』に貼られた一枚は23.3×35.6cmで、版元は福田熊二良と記録されています。福田熊二良は、東京都立図書館の書誌が記す版元名「福田熊次郎」と同じ人物の表記です。
- 井上安治の「日本橋夜景」とは同じ作品ですか?
- 別の作品です。日本橋夜は小林清親の錦絵で、日本橋夜景は清親の弟子の井上安治が描いた、はがきより一回り大きい程度の小さな錦絵です。

