佃煮とは
佃煮とは、小魚や貝、昆布などを醤油や砂糖で甘辛く煮詰めた、日持ちのする保存食です。その名は東京都中央区の佃島(つくだじま)に由来するとされ、日本橋からも隅田川を挟んですぐの場所で生まれた、ご飯のお供の代名詞ともいえる江戸の味です。
佃煮の名は、佃島の漁師から始まった
はじまりは江戸のごく初期。1590年(天正18年)、徳川家康が江戸に入る際、摂津国佃村(現在の大阪市)から漁師たちを呼び寄せ、移り住んだ場所がいまの佃島だとされています。
漁に出る彼らにとって、売り物にならない小魚を煮詰めておくのは、出漁のときにそなえる保存の知恵でした。余った分を売り出すと評判を呼び、参勤交代の武士が国元への土産に持ち帰ったことで全国へ広まったと伝わります。今ではどこのスーパーにも並ぶご飯のお供ですが、その出発点は江戸の小さな島の保存食です。
日本橋界隈で味わう佃煮
佃島(いまの中央区佃)は隅田川の河口にあり、日本橋エリアと同じ中央区のなか。佃煮は今も身近な味です。
日本橋蛎殻町には、2026年9月時点も営業を続ける佃煮の老舗、遠忠食品(大正2年創業)があります。化学調味料を使わず、昔ながらの直火の釜で炊き上げる江戸前佃煮づくりにも取り組んでいるお店です。ご飯のお供にはもちろん、お茶漬けや酒の肴にも合うので、日本橋の手みやげを探すときの選択肢にしてみてはいかがでしょう。
日本橋トピック♪佃煮は、江戸で「発明」されたとは限らない
中央区立郷土天文館の学芸員は、ミツカン水の文化センターの取材に、佃煮の起こりをこう見立てています。「佃島漁民が江戸に来て佃煮を創作したというよりも、出漁の際の保存食としておそらく摂津の佃村にいたころから似たようなものが食べられていて、それを彼らが持ち込んだのではないでしょうか」。しかも甘辛いイメージの強い佃煮も、醤油がなかった時代は小魚を塩で煮詰めたものだったそうです。名前は江戸の島から、中身の原型は漁師たちの故郷から、というわけです。
佃煮に関するよくある質問
- 佃煮の「佃」は何の名前ですか?
- 東京都中央区の佃島という土地の名前です。徳川家康が大阪の佃村から呼び寄せた漁師たちが移り住み、小魚を煮た保存食を作ったのが始まりと伝わります。
- 佃煮と時雨煮や煮物は何が違いますか?
- 佃煮は小魚や貝、昆布などを醤油や砂糖で甘辛く煮詰めた、日持ちを重視した保存食です。生姜を効かせた時雨煮も佃煮の一種とされ、加熱して食べることが多い煮物とは保存性や味の濃さの点で異なります。
- 佃煮はなぜ日持ちするのですか?
- 醤油や砂糖で濃いめに甘辛く煮詰め、水分を減らして作るためです。もともと漁師が悪天候の日や船上の食料とするための保存食だったことに由来します。

