京粕漬とは
京粕漬とは、魚の切り身を酒粕の漬け床に漬け込んだ、日本橋の老舗「魚久」の代表的な粕漬けです。ぎんだらや銀鮭などを漬け、焼いて味わいます。芯まで濃厚な味が染み込むのが持ち味で、魚久の代名詞として知られてきました。
酒粕に漬けると、魚はどう変わる?
酒粕とは、日本酒をしぼったあとに残る粕のこと。これに調味料を合わせた漬け床へ魚を寝かせると、ほんのりとした風味とコクが身に移り、ふっくらしっとりと仕上がります。冷蔵庫のなかった時代には、魚を日持ちさせる保存の知恵でもありました。
漬ける魚はさまざまで、ぎんだら・銀鮭・キングサーモン・めかじきなど、脂ののった切り身がよく使われます。食べ方はいたってシンプルで、粕を軽くぬぐってから焼くだけ。粕や糖分が焦げやすいので、弱めの火でじっくり焼くと、香ばしさと身のやわらかさが引き立ちます。
「味噌漬け」とは別物、店との関係も整理
混同しやすいのが、味噌に漬けた「西京漬」との違いです。西京漬が味噌の漬け床なのに対し、京粕漬は酒粕の漬け床に漬けたもの。どちらも魚を漬けた焼き物ですが、味の土台が味噌か酒粕かで別の料理と考えてよいでしょう。
もうひとつ整理しておきたいのが、商品と店の関係。「京粕漬」は商品の名前で、それを作って売るのが店の「京粕漬魚久(魚久)」です。魚久は大正3年(1914年)に鮮魚商として始まり、のちに粕漬けの専門店として知られるようになりました。お店の歩みや本店の場所は、魚久のページにゆずります。
Topic京粕漬の味の決め手は、二代目が完成させた「粕床」?
京粕漬のおいしさを支えているのは、魚そのものだけではありません。魚久は、割烹料理店だった時代に二代目が完成させた粕床(酒粕の漬け床)の調合を、今も受け継いでいるといいます。どんな酒粕をどう調味し、どれくらい漬けるか。その配合の積み重ねが、芯まで味の通った仕上がりを生むわけです。魚久が自ら「粕漬けの概念を変える味」と紹介するのも、この漬け床への自負があるからでしょう。
京粕漬に関するよくある質問
- 「京粕漬」の「京」は京都という意味ですか?
- 名前の由来は魚久の公式では明示されていません。初代が京都で料理修行をした背景はありますが、「京」が京都を指すと断定はできず、はっきりしたことは要確認です。
- 京粕漬はどこで買えますか?
- 作っているのは日本橋人形町の老舗「魚久」で、本店や直営店のほか全国の百貨店でも扱っています(2026年6月時点・公式で確認)。最新の取り扱いは公式サイトで確かめると安心です。
