十軒店跡とは

十軒店跡とは、江戸時代に雛人形や五月人形の市が立った「十軒店(じっけんだな)」という一帯の跡で、現在の東京都中央区日本橋室町にあります。季節ごとに人形を売る仮設の店が並び、節句のたびに大いににぎわった場所。今はオフィスや商業施設が立ち並ぶ室町の通り沿いに、由来を伝える説明板が置かれています。

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名前の由来は十軒の仮店

「十軒店」という名は、その名のとおり十軒の仮店が並んだことに由来するといわれています。何を売る店だったかというと、人形の店。3月の桃の節句には内裏雛(だいりびな)や禿(かむろ)人形を、5月の端午の節句には甲(かぶと)人形や鯉幟(こいのぼり)を売る店が軒を連ねました。節句の人形を買い求める人々で、通りはたいそうにぎわったそうです。

江戸の人形市から、今の室町へ

十軒店は、江戸でも指折りの人形市として親しまれました。寛永のころの古い江戸図にもその名が見え、長く室町の風物詩でありつづけたことがうかがえます。人形を商う文化は、すぐ近くの日本橋人形町の名とも響き合うところ。今は静かなビル街ですが、春と初夏に人形がずらりと並んだ華やぎが、確かにこの一帯にありました。

Topic「十軒店」なのに、最盛期は41軒だった

十軒の仮店から始まった十軒店ですが、商いは年々ふくらみました。寛政のころ(1789〜1801年)には、店はなんと41軒にまで増えていたと伝わります。それでも町の名は「十軒」のまま。人形や玩具を扱う店がにぎやかに軒を連ね、はじまりの数がそっくり地名として残った、おもしろい一例といえるでしょう。

十軒店跡に関するよくある質問

十軒店では何が売られていたのですか?
ひな祭りには内裏雛、こどもの日には兜人形や鯉のぼりなど、季節の人形が売られました。年に二度、節句に合わせて開く人形専門の市のような場所だったとされます。
十軒店と日本橋人形町は関係がありますか?
どちらも人形を商う文化でつながっています。室町の十軒店は節句人形の市として、人形町は人形師や芝居の町として、それぞれ江戸の人形文化を支えました。

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