下町連合渡御木遣りとは
下町連合渡御木遣りとは、山王祭の下町連合渡御で、神輿の出発や京橋のセレモニーに響く木遣りの唄を指す呼び方です。朝の宮出しでは神輿が上がる前に鳶頭が木遣りを歌い、昼の京橋では中央通りを進み始める前のセレモニーで地元の鳶頭衆の木遣りが聞かれてきました。場面を示す説明名で、独立した曲名ではありません。
宮出しと京橋、二つの節目で響く唄
一つめの節目は朝の下町連合渡御宮出しです。地元の青年部「日八会」の2016年の案内によると、日本橋茅場町の日本橋日枝神社で旦那衆があいさつし、鳶頭が木遣りを歌い、神職のお祓いが済むと神輿が上がります。二つめは昼の下町連合渡御京橋一斉出発。神輿が集まる京橋のセレモニーで、ろ組・せ組・百組の鳶頭衆による木遣りが「必聴」と紹介されていました。
木遣りの元は、大勢で力を合わせて働くときの掛け声や合図として唄われた作業唄です。江戸消防記念会によると、木遣りには材木などを運ぶときの「木引き木遣り」と、土地を突き固める地形(じぎょう)のときの木遣りがあり、鳶の木遣りは地形の木遣りの側に入ります。町火消が鳶職人を中心に編成されたことから、唄も町火消の中で受け継がれてきたと同会は説明しています。神輿を担ぐときの短い掛け声とは別の唄だと知っておくと、聞こえ方も変わるでしょう。
昭和31年(1956年)3月3日には「江戸の鳶木遣」が東京都の無形文化財に指定され、江戸消防記念会が保存団体を務めています。
日本橋トピック♪京橋で唄う組は、山王さまを氏神とする組
京橋のセレモニーで木遣りを聞かせてきたのは、ろ組・せ組・百組の鳶頭衆です。江戸消防記念会の第一区の紹介では、中央区に属する組のうち、三番組(ろ組)、四番組(せ組)、五番組(も組)、九番組(百組)の4組の氏神が山王日枝神社とされています。町火消の組の名を受け継ぐ鳶頭たちが、自分たちの氏神の祭りで神輿の出発を唄で送り出す、という構図なのです。
下町連合渡御木遣りに関するよくある質問
- 木遣りには何曲くらいありますか?
- 江戸消防記念会によると、「真鶴」のほか、地・くさり物・追掛け物・手休め物・流れ物・端物・大間など8種110曲があります。同会は昭和28年(1953年)に木遣りの練達者がまとめた『木遣定本』を再版し、伝承の資料にしています。

