人形町歳の市とは
人形町歳の市とは、東京都中央区の日本橋人形町で年末に開かれる、しめ飾りなどの正月用品を売る市です。人形町通りに、しめ縄飾りなどお正月のお飾りを売る露店が多数並び、年の瀬の風物詩となっています。
「歳の市」は年末に正月用品をそろえる市
歳の市(年の市)は、年末に正月用品を買いそろえるために開かれる市のこと。年神をまつる道具や正月の飾り物、雑貨、衣類、海産物などが売られてきました。毎月立つ定期市のうち、その年最後の市を正月用品の販売にあてることが多かったため、「暮市」「節季市」とも呼ばれます。
東京では、深川八幡宮(12月14・15日)や浅草観音の羽子板市(17〜19日)などが名高く、浅草の羽子板市は歳の市での押し絵羽子板の商いが始まりといわれます。門松を売る松市、しめ飾りを売る「ガサ市」のように、品物ごとに分かれた市もありました。
年末の歳の市に対して、お盆の行事に使う物を売る市は「草市(盆市)」と呼ばれます。時期も品物も別のもので、正月用の歳の市と盆の草市は、一年を二つに分ける節目の市として対になってきました。明治時代には、人形町にも盆の草市が立っています。
年末の人形町通りと、ちょうちんの明かり
人形町歳の市の舞台は、人形町通りです。人形町駅から水天宮前駅にかけて続く人形町商店街では、毎年年末年始になると通り沿いにちょうちんが出され、夜には温かい明かりが通りを照らします。中央区観光協会の特派員ブログも、年末の人形町通りが「歳の市」となり、しめ縄飾りなどを売る露店が並ぶ様子を伝えています。
開催は毎年12月下旬。2023年は12月26日から30日まででした。日程は年によって変わるので、出かける前に人形町商店街の案内で確かめておくと安心でしょう。同じ中央区の東日本橋では、薬研堀不動尊の「納めの歳の市」も開かれます(2023年は12月26日〜28日)。
日本橋トピック♪しめ飾り、大晦日に飾ってはいけない?
歳の市で買ったしめ飾りは、いつ飾ればよいのでしょうか。門松などを大晦日に飾りつけることは「一夜飾り」と呼ばれ、年神に対して誠意に欠ける、また葬儀の準備を連想させるとして忌まれてきました。一夜だけ慌ただしく飾るのでは、新年の神さまを迎える支度として心もとない、というわけです。年の瀬の人形町通りでしめ飾りを選ぶなら、飾る日を大晦日より前に決めて、そこから逆算して出かけるのがよさそうです。
人形町歳の市に関するよくある質問
- 人形町歳の市とべったら市は違うものですか。
- 別の催しです。べったら市は毎年10月19日・20日に、寳田恵比寿神社を中心とした日本橋大伝馬町・日本橋本町かいわいで開かれ、べったら漬などを売ります。歳の市は年末に人形町通りで、しめ飾りなどの正月用品を売る市です。
- なぜしめ飾りを年末に買うのですか。
- 人形町商店街の案内によると、しめ縄は古い年の災いを閉め出すのと同時に、周囲のけがれを断つために用いられてきました。お正月には家を清めて年神様を迎えるため、門前や玄関前にしめ縄を張るようになりました。
- 会場の「日本橋人形町」は大阪の日本橋とは違いますか。
- 違います。人形町歳の市が開かれるのは東京都中央区の日本橋人形町です。大阪市の日本橋(にっぽんばし)とは読み方も場所も別で、関係はありません。

