人形町歳の市とは
人形町歳の市とは、東京都中央区の日本橋人形町で年末に開かれる、しめ飾りなどの正月用品を売る市です。人形町通りに、しめ縄飾りや正月飾りの露店が約30店舗ずらりと並ぶのが恒例で、年の瀬の風物詩として親しまれています。会場は人形町駅のすぐ近く。買い物のついでに新年の支度を整えられる、下町らしい年中行事です。
「歳の市」は江戸の年末の風物詩だった
歳の市は、年末に正月用品を売るために立つ市のこと。しめ縄や門松、神棚、羽子板、縁起物など、新年に年神さまを迎えるための品が中心です。その年の最後の市にあたるため「年の市」「暮市」とも呼ばれてきました。
江戸の町では、12月に入ると深川や浅草など各地で歳の市が日替わりに立ち、大晦日近くまで続いたといわれます。なかでも浅草寺の市は江戸随一の賑わいだったとされ、今に伝わる浅草の羽子板市はその名残です。年末の歳の市に対して、お盆の頃に盆飾りを売る市は「草市」と呼ばれ、時期も品物も別のもの。同じ「市」でも季節が違う点を押さえておくと混同しません。
約500mを彩るちょうちんとからくり櫓
人形町歳の市の見どころは、露店の買い物だけではありません。人形町交差点から水天宮前交差点までの約500m区間に、「謹賀新年」と記された約330個のちょうちんが並びます。夜になって明かりが灯ると、人形町通りが一気に華やぎ、下町情緒たっぷりの景色に変わります。
あわせて、人形町通りのシンボルであるからくり櫓もライトアップ。露店ではしめ縄のデザインが店ごとに違うので、歩きながらお気に入りを探すのも楽しみのひとつです。通りの反対側では日用品や盆栽なども売られ、年末らしい賑わいに包まれます。
開催はおおむね毎年12月下旬から大晦日まで(開催時間は店舗により異なります)。日程や時間は年によって変わるため、正確な今年の日程は公式の案内(人形町商店街)で確認しておくと安心です。
Topic江戸の年末風景が、今も街なかに残っている?
江戸の町ではかつて、深川八幡(富岡八幡宮)や浅草寺、神田明神など各地で歳の市が立ち、年末の名物になっていました。ところが明治以降、その多くは姿を消し、今の東京で正月用品の歳の市が街なかに立つのは数えるほどしか残っていません。人形町歳の市は、浅草寺の羽子板市と並んで「都内に残る貴重な歳の市の一つ」とされる存在。約30店のしめ飾りの露店と約330個のちょうちんが連なる光景は、江戸の年の瀬の賑わいを令和の下町でそのまま味わえる、貴重な一場面といえます。
人形町歳の市に関するよくある質問
- 人形町歳の市と人形町通りべったら市は違うものですか。
- 別の催しです。べったら市は秋(10月)にべったら漬などを売る市で、歳の市は年末(12月下旬)にしめ飾りなど正月用品を売る市です。人形町通りという同じ舞台ですが、時期も売り物も異なります。
- 歳の市の見物にお金はかかりますか。
- 人形町通りを歩いて露店やちょうちんを眺めるだけなら自由に楽しめます。しめ飾りや正月飾りを買う場合は、商品ごとの代金がかかります。
- なぜしめ飾りを年末に買うのですか。
- しめ縄は古い年の災いを閉め出し、周囲のけがれを断つために用いられてきたとされます。新年に年神さまを迎えるため、家を清めて門前や玄関にしめ飾りを張る風習から、年末に正月用品を買いそろえる歳の市が続いてきました。
- 会場の「日本橋人形町」は大阪の日本橋とは違いますか。
- 違います。人形町歳の市が開かれるのは東京都中央区の日本橋人形町です。大阪市の日本橋(にっぽんばし)とは読み方も場所も別で、関係はありません。
