日本橋高島屋S.C.本館とは
日本橋高島屋S.C.本館とは、東京都中央区日本橋2丁目にある、1933年竣工の重要文化財で買い物ができる百貨店棟です。高橋貞太郎の当初設計と、村野藤吾による戦後の増築が一体となった建物で、百貨店の売場として使われ続けています。
重要文化財の登録名称:髙島屋東京店
1933年の当初部分と村野藤吾の増築
建物は1933年(昭和8年)に竣工しました。「東洋趣味ヲ基調トスル現代建築」を求めた設計図案競技で1等となった高橋貞太郎の案を採用し、西欧の歴史様式に和風建築の意匠を加えています。ただし、このとき建ったのは中央通りに面した部分だけ。今の街区でいえば、およそ西側3分の1です。
残りは戦後、村野藤吾の設計で1952年から1965年まで4回にわたって増築され、1街区全体を占める今の建物になりました。高橋の当初部分と村野の増築部分は、文化遺産オンラインの解説で「一体不可分の建築作品」として完成度が高いと評されるほど。2009年に国の重要文化財に指定され、百貨店建築では初めての例とされます。
売場の中で見つかる昭和建築の意匠
1階正面口の格天井、大理石の柱が並ぶ1階から2階への吹き抜け、案内係が手動で操作するエレベーターなどが、公式の見どころに挙げられています。13号機エレベーターの1階の扉は、洋画家・東郷青児のデザインです。建築のための博物館ではなく、営業中の百貨店の公共空間で意匠を見られるのが、この建物ならではの楽しみ方でしょう。
高島屋は、コンシェルジュが館内を案内する予約制の重要文化財見学ツアー(無料・約1時間)を行っており、2026年9月時点の公式案内では毎月第2木曜日に開かれています。
本館は、2018年に4館体制となった日本橋高島屋S.C.の核となる館です。同じ年に開業した日本橋高島屋S.C.新館は、日本橋ガレリアを挟んで本館と向き合う日本橋髙島屋三井ビルディングの中にあり、建物としては別もの。重要文化財に指定されているのは本館だけなので、建築を見に行くなら行き先は本館になります。
日本橋トピック♪建てたのは日本生命、名前は「日本生命館」
1933年の竣工時、この建物の名称は「日本生命館」でした。高島屋の公式解説によると、建てたのは日本生命で、高島屋はそれを借り受けて店を開き、建物の一部には日本生命東京総局の事務所が入っていました。日本生命が転出したのは1963年(昭和38年)。それまでの30年、百貨店と保険会社の事務所がひとつ屋根の下にあったわけです。
日本橋高島屋S.C.本館に関するよくある質問
- 本館の手動操作エレベーターは創建時の機械のままですか?
- 公式では、機械は新しいものに変え、創建時のカゴを改修しながら使用していると説明しています。古い建築意匠と必要な機能更新を両立させた設備です。
- 本館の吹き抜けにあるシャンデリアは創建時のものですか?
- 創建時のシャンデリアは、戦時中の金属類回収令で供出されました。吹き抜けで見られるものは村野藤吾のデザインです。

