日本橋三越本店とは
日本橋三越本店とは、東京都中央区の日本橋室町にある百貨店で、日本でもっとも古い歴史をもつ百貨店のひとつです。1673年(延宝元年)創業の呉服店「越後屋」を前身とし、1905年には日本初とされる「デパートメントストア宣言」を打ち出しました。重厚な本館は国の重要文化財に指定され、玄関を守る2頭のライオン像でも親しまれています。

重要文化財としての指定名称:三越日本橋本店(本館)
呉服店「越後屋」から、日本初の百貨店へ
三越のはじまりは、1673年に三井高利が開いた越後屋呉服店。その場で現金払い、値引きなしという「現金掛け値なし」の新しい売り方で評判を呼びました。やがて1904年(明治37年)、会社は三越呉服店へと姿を変え、翌1905年の新聞広告で、欧米のデパートメントストアを目指すと宣言します。これが日本の百貨店の出発点とされています。
今の本館は、1914年(大正3年)に竣工したルネサンス様式の建物が原型です。その後、1927年(昭和2年)に鉄骨鉄筋コンクリート造へと全面的に造り直されました。さらに1935年(昭和10年)の増築で、5層吹き抜けの中央ホールなど現在の姿に近づいたのです。長い時間をかけて少しずつ育てられた建築といえるでしょう。その価値が認められ、2016年には本館が国の重要文化財に指定されました。ちなみに1914年の本館は、日本で初めてエスカレーターを設けた建物のひとつとしても語り継がれています。
「創業350年」でも、建物はもっと新しい
気をつけたいのは、創業の古さと、今の建物の新しさは別ものだということ。越後屋の創業は1673年ですが、目の前に建つ本館はあくまで20世紀の建築であり、「350年前の建物」ではありません。さらに越後屋は本町で生まれ、1683年に今の場所へ移ってきた歴史があります。創業の地と現在地も、じつは同じではないという点も、知っておくと面白いところでしょう。
玄関のライオン像が有名なため、ほかの百貨店と取り違える方もいますが、ライオン像は三越のシンボルです。すぐ近くにはもうひとつの重要文化財の百貨店、日本橋高島屋もありますが、そちらにライオン像はありません。また「三越」は全国に広がる百貨店で、その発祥の地であり本店にあたるのが、この日本橋三越本店です。
重要文化財のなかを歩く楽しみ
日本橋三越本店は、買い物をしなくても、建築を見て歩くだけで楽しめる場所です。1階の中央ホールには、高さ10.9メートルの「天女(まごころ)像」がそびえています。彫刻家の佐藤玄々が手がけ、1960年に設置された大作で、無数の宝石がちりばめられた華やかな一体です。
5層吹き抜けの中央ホールや屋上、各時代の意匠が残る館内は、それ自体が見どころ。建物の前では、2頭のライオン像が待ち合わせの目印として親しまれています。外観は1階が花崗岩、その上が白いタイルで覆われ、屋上にはアール・デコ風の装飾も残ります。営業時間は時期によって変わるため、訪れる前に公式サイトで確認しておくと安心でしょう(2026年6月時点で営業中)。
Topic三越のライオンは、ロンドンからやってきた?
日本橋三越本店に関するよくある質問
- 日本橋三越本店の最寄り駅はどこですか?
- 東京メトロ銀座線・半蔵門線の三越前駅が直結で、本館地下から直接入れます。JR総武快速線の新日本橋駅からも地下通路でつながっています。
- 日本橋三越本店と、ほかの三越とは何が違いますか?
- 日本橋三越本店は、越後屋以来の発祥の地に建つ三越の本店です。重要文化財の本館を構える点が特徴で、各地の三越はここから広がった店舗にあたります。
- 「創業350年」といわれますが、ずっと同じ場所にあったのですか?
- 越後屋は1673年に本町で創業し、1683年に駿河町(現在の日本橋室町)へ移ってからこの地にあります。ただし今の本館の建物は20世紀の建築で、創業当時のものではありません。
