日本橋美人の夕景とは
日本橋美人の夕景とは、豊原国周が1863年(文久3年)5月に手がけた、夕暮れの日本橋を背に3人の女性を描いた錦絵です。読みは「にほんばしびじんのゆうけい」。縦長の大判3枚を横に並べて一つの画面にする「三枚続」の作品です。
影絵のような町と、色あざやかな3人
東京都立図書館が3枚を並べて公開する画像では、手前に立つ3人の女性があざやかな色で刷られる一方、背後の反り橋や家並み、行き交う人々は黒と灰色の影で表されています。中央の女性は団扇を、右の女性は開いた扇を手に持ち、右上の題箋には「日本橋美人の夕景」の文字が見えます。
東京都立図書館が引く『第3回江戸資料展』図録の解説によると、この絵は日本橋の南詰から橋を眺めた図で、右手の火の見櫓のあたりが魚河岸、右端は立場(たてば)茶屋らしいとのこと。立場茶屋は、街道を行き来する人がひと休みする茶屋です。同じ解説は、影にした近代的な背景と、浮世絵らしい美人の対照を見どころに挙げています。
日本橋トピック♪「日本橋のたそがれ」は「江戸のたそがれ」
先の図録解説は、江戸を象徴する日本橋のたそがれが、そのまま江戸という時代のたそがれを思わせると読んでいます。制作は1863年で、明治が始まる1868年の5年前。題名の「夕景」は時刻を示すだけでなく、幕末の空気を重ねて味わえる言葉になっています。
日本橋美人の夕景に関するよくある質問
- 「日本橋美人の夕景」の落款や彫師はどのように記録されていますか?
- 東京都立図書館の書誌には「一桃國周画」「立川彫初」とあり、改印は「刻五改」と登録されています。
- 3枚それぞれの大きさはどのくらいですか?
- 国立国会図書館の書誌では、台紙に貼られた本紙の大きさが右37.1×25.2cm、中37.3×25.5cm、左37.4×25.3cmと記録されています。縦長の大判3枚を横に並べると、一続きの画面になります。

