どぶろく祭とは
どぶろく祭とは、東京都中央区日本橋小網町の小網神社で毎年11月28日に行われる祭礼です。その年に収穫した新米でかもしたにごり酒「どぶろく」を神前に供え、五穀豊穣に感謝して無病息災と強運厄除を祈願します。参拝者にもどぶろくが振る舞われることから、正式な祭礼名「新嘗祭(にいなめさい)」よりも「どぶろく祭」の通称で親しまれています。
新米のにごり酒を分かち合う祭り
新嘗祭は、その年にとれた新しい穀物を神様にお供えし、一年の実りに感謝する祭りです。小網神社のどぶろく祭では、神前に供えたどぶろく(酒税のかからない自家用のにごり酒)を参拝者にも分け、収穫の恵みをみんなで分かち合います。例年約1,000人分が用意され、朝から夕方まで無料で振る舞われるとのこと(日本橋経済新聞による)。
昼ごろには社殿で祭典が営まれ、続いて郷神楽舞(さとかぐらまい)が奉納されます。これは国の重要無形民俗文化財に指定された里神楽の舞。にぎわいの中にも、静かな神事の趣がしっかり残されているのが見どころでしょう。
この祭りはいつから?
始まりの時期は、はっきりした記録が残っていません。小網神社の宮司によれば江戸時代後期ごろから続くとされています。新嘗祭で神前に供えたにごり酒を参拝者に振る舞ったことが、この祭りの起こりだと伝えられています。長く地元に根づいてきた行事ですが、創始の年を断定できる史料は確認されていません。
小網神社と日本橋七福神
会場の小網神社は、日本橋小網町に鎮座する「強運厄除・東京銭洗い弁天」で知られる神社です。日本橋七福神では福禄寿と弁財天を祀り、御朱印めぐりの参拝者も多く訪れます。現在の社殿は昭和4年(1929年)に建てられたもので、日本橋地区に現存する数少ない戦前の神社建築として中央区有形文化財に指定されています。どぶろく祭は、こうした由緒ある社で営まれる秋の恒例行事なのです。
Topic新嘗祭なのに、なぜ11月28日なの?
新嘗祭はもともと11月23日(今の勤労感謝の日)に行われる祭りです。ところがどぶろく祭は、毎年11月28日(その日が日曜なら29日)に開かれます。理由は、小網神社の周りがオフィス街だから。23日は祝日でお勤めの人がいなくなり、街から人が消えてしまうのです。そこで、近くで働く人たちが昼休みや仕事帰りに立ち寄れるよう、平日の28日にずらして続けられてきました。収穫感謝の伝統行事と、都心で働く人の生活リズムが重なった、日本橋小網町ならではの祭りといえます。
どぶろく祭に関するよくある質問
- 振る舞われるどぶろくは、お酒として買って帰れますか。
- 持ち帰り用の販売を前提とした行事ではなく、神前に供えたにごり酒を当日その場で分かち合う祭礼です。どぶろくは酒税のかからない自家用として神社で仕込まれるもので、市販のお酒とは位置づけが異なります。
- どぶろくは誰でも無料でいただけますか。
- 例年は朝から夕方まで無料で振る舞われ、約1,000人分が用意されると伝えられています。提供数や時間は年により変わるため、参拝前に小網神社の公式情報で確認すると安心です。
- なぜ11月28日に行うのですか。
- 新嘗祭は本来11月23日の祭りですが、小網神社の周辺はオフィス街で祝日には人が減るため、近くで働く人が立ち寄れるよう例年11月28日(日曜の場合は29日)にずらして開かれています。
