麒麟の翼とは

麒麟の翼とは、作家・東野圭吾が2011年に発表した推理小説と、それを原作とする映画のタイトルです。日本橋の麒麟像を物語の重要な舞台にした作品で、刑事・加賀恭一郎が活躍するシリーズの一作。実際の事件ではなく、あくまで創作(フィクション)ですが、日本橋という街そのものが物語の鍵を握ります。

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日本橋の麒麟像から始まる物語

小説『麒麟の翼』は2011年に講談社から刊行されました。刑事・加賀恭一郎が登場するシリーズの一作で、前作『新参者』と同じく日本橋一帯が舞台です。物語は、胸を刺された男性が、日本橋の上で息絶えているところから動き出します。なぜ被害者は瀕死の状態でそこまで歩いたのか。その謎を加賀が解いていきます。

ここで大切なのは、これが実際に起きた事件ではなく、創作の物語だということ。登場人物も会社も架空です。ただし作中に出てくる日本橋の麒麟像は実在し、今も橋の中央で見られます。物語の中で被害者が日本橋七福神巡りをしていた点も、街歩きの好きな読者には印象に残るはずです。

なぜ麒麟像が題材なのか

日本橋は、江戸時代に全国へ伸びる五街道の起点とされた場所です。橋の中央に立つ麒麟像は、「ここから羽ばたく」という願いを込めて、本来は翼を持たない伝説の麒麟にあえて翼の形を添えています。この「飛び立つ」イメージが、作品が描こうとした希望や祈りと重なりました。だからこそ、橋の中央に立つこの像が物語の中心に選ばれたといえます。

2012年には映画『麒麟の翼 〜劇場版・新参者〜』が東宝の配給で公開され、加賀恭一郎を阿部寛が演じました。撮影には実際の日本橋が使われています。小説と映画、どちらから入っても、読み終え観終えたあとに日本橋を歩くと、麒麟像の見え方が少し変わるかもしれません。

Topic翼を持つ麒麟が、タイトルに込めたもの

麒麟はもともと中国から伝わった想像上のめでたい獣で、翼は持ちません。それなのに日本橋の像にだけ翼があるのは、道路の起点である日本橋から「ここから飛び立つ」という願いを形にしたためとされています。作品はこの飛躍と希望の象徴を、悲劇のなかでも前を向こうとする物語に重ね、タイトルに据えました。翼のない麒麟にあえて翼を添えた像だからこそ、生きる題名といえます。

麒麟の翼に関するよくある質問

『麒麟の翼』を読んでから日本橋を訪れると楽しめますか?
物語の鍵になる麒麟像は橋の中央に実在するので、読後に立ち寄ると作品の世界を重ねて眺められます。被害者がたどった日本橋七福神巡りの社寺も街なかに点在しています。
加賀恭一郎シリーズを初めて読むなら、この作品からでも大丈夫ですか?
本作だけでも物語は完結しますが、前作『新参者』と同じ日本橋が舞台なので、続けて読むと街の見え方が深まります。
本物の日本橋の麒麟像にも、作中と同じく翼はありますか?
はい。橋の中央に立つ実物の像にも翼のような背びれがあります。本来翼を持たない伝説の獣に、あえて翼を添えた珍しい意匠です。

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