神茂とは

神茂とは、東京都中央区の日本橋室町はんぺんや蒲鉾を作り続ける練り物の老舗です。読み方は「かんも」。元禄元年(1688年)の創業から330年あまり、魚河岸でにぎわった日本橋のたもとで、看板の手取りはんぺんを今も同じ場所で守り続けています。

目次

江戸の魚河岸とともに、330年あまり

始まりは、大坂の神崎川あたりから江戸へ出てきた神崎屋という一家でした。元禄元年(1688年)、日本橋にはんぺん・蒲鉾の店を構えたのが神茂の起こりとされています。当時の日本橋は魚河岸があった「江戸の台所」。新鮮な魚が集まる場所だからこそ、練り物の店が根づきました。

「神茂」という屋号は、出身地の「神崎」と、代々の当主が襲名した「茂三郎」から一字ずつ取ったものとされています。もとは「神崎屋」と名乗っていましたが、明治のころに今の「神茂」へと改めました。場所はずっと日本橋室町のあたりですが、いま建つ店舗は1991年に建て替えられたビルなので、江戸時代の建物がそのまま残っているわけではありません。

看板は、手作業で仕上げる手取りはんぺん

神茂を代表するのが手取りはんぺんです。スーパーで見かける四角いはんぺんとは少し違い、職人が一枚ずつ手で形づくるのが「手取り」という名前の由来。木の型と「狭匙(きょうさじ)」という木べらを使い、リズミカルに四辺を切り、中央をふっくらと尖らせていきます。

原料は、白身魚ではなく鮫(サメ)です。アオザメ4割、ヨシキリザメ6割という配合を守り、石臼で時間をかけてすり上げると、生地が空気を含んで真っ白にふくらみます。この手間が、ふわっと軽い独特の食感を生みます。はんぺんと聞いて思い浮かべる白くてやわらかいものは、もともと関東でなじんだ姿で、静岡の黒はんぺんとはまた別の食べ物です。

日本橋を歩くなら立ち寄りたい

本店は日本橋室町、三越前駅からもすぐの場所にあります。おでん用のはんぺんはもちろん、炙ってわさび醤油で味わうのもおすすめされる一品。手みやげに練り物を選びに、街歩きの合間に寄る人も多いお店です。営業時間や定休は変わることがあるので、訪れる前に公式サイトで確かめておくと安心でしょう。

Topicはんぺんは、フカヒレの「残り」から生まれた?

江戸時代、鮫のヒレ、つまりフカヒレは中国へ向けた大切な輸出品でした。日本橋の魚市場には鮫も集まりましたが、ヒレを取ったあとの身は余ってしまいます。そこで神茂の公式の言い伝えによれば、この残った鮫の身を活かして作り始めたのがはんぺんだったそう。今でこそ高級食材のフカヒレですが、その「残り」から生まれた庶民の練り物が、330年あまり受け継がれていると思うと、おでんの一切れも少し違って見えてきます。

神茂に関するよくある質問

「神茂」は何と読みますか?
かんもと読みます。出身地の神崎と、代々の当主が名乗った茂三郎から一字ずつ取った屋号とされ、もとの神崎屋から明治期に神茂へ改めました。
神茂のはんぺんは何から作られていますか?
白身魚ではなく鮫(サメ)から作られます。アオザメ約4割、ヨシキリザメ約6割を合わせ、すり上げて空気を含ませることで、白くふんわりした手取りはんぺんに仕上げます。
神茂は今も日本橋で営業していますか?
現在も中央区日本橋室町1丁目で営業し、はんぺんや蒲鉾を販売しています(2026年6月時点・公式サイト確認)。江戸期からほぼ同じ場所で続く老舗です。

あわせて読みたい記事

目次