さるやとは
さるやとは、東京都中央区の日本橋室町にある、楊枝(ようじ)の専門店です。創業は宝永元年(1704年)。300年あまりにわたって、つまようじづくりひと筋に商いを続けてきた、日本橋でも珍しい老舗です。公式には「日本橋さるや」と名乗り、上等とされる「黒文字(くろもじ)」という木を使った手削りの楊枝で知られます。
300年続く、楊枝ひとすじの店
さるやが日本橋に店を構えたのは宝永元年(1704年)。江戸時代のなかばから300年あまり、楊枝づくりだけを続けてきました。楊枝とは、ふだん私たちが使うつまようじのこと。さるやの楊枝は、古くから上等とされる黒文字という木から作られます。
黒文字は、削ると上品な香りが立つ木。一本ずつ手で削った黒文字の楊枝は、和菓子に添えたり、来客のもてなしに使ったりと、ちょっと特別な道具として親しまれてきました。何気ない一本に手間と香りが宿っている、というのがさるやの楊枝の持ち味でしょう。
創業の地は、いまの場所とは別の町
今のさるやは日本橋室町にありますが、創業の地は少し離れた「照降町(てりふりちょう)」、現在の日本橋小網町のあたりだったと伝わります。長い歴史のなかで日本橋の中を移りながら、楊枝づくりの暖簾を守ってきました。「創業1704年」はお店の歴史であって、今の店舗が江戸時代から同じ場所に建ち続けているわけではありません。老舗を訪ねるときに覚えておくと、来歴がぐっと立体的に感じられます。
日本橋みやげに、手削りの一本
さるやの楊枝には、桐箱入りのものや名前を入れられるもの、おみくじのような遊び心のある「辻占楊枝(つじうらようじ)」など、贈り物に向く品もそろいます。場所は三越や日本橋の老舗が集まる室町エリア。街歩きの締めに、自分用や手みやげの一本を選ぶのも楽しいものです。品ぞろえや営業時間は変わることがあるので、訪れる前に公式で確かめておくと安心でしょう。
Topic楊枝屋なのに、どうして「さるや(猿屋)」?
楊枝の店なのに「さるや(猿屋)」とは、少し不思議に思えます。これは「猿は歯白きが故に 楊枝の看板たり」という昔の言い回しに由来するとされます。歯が白くきれいな猿を、歯を清める道具である楊枝の象徴に見立てたわけです。江戸の人々の洒落っ気が、そのまま300年の屋号になって残っているというのは、なんとも粋な話ではないでしょうか。
さるやに関するよくある質問
- さるやは今も営業していますか?
- はい、楊枝づくりの暖簾を今も守り、店頭で黒文字の楊枝などを扱っています。営業時間は変わることがあるため、公式の案内を確かめると確実です。
- さるやへはどう行くのが便利ですか?
- 日本橋室町にあり、地下鉄の三越前駅や日本橋駅から歩いて行けます。三越など日本橋の老舗めぐりとあわせて立ち寄りやすい場所です。
- さるやの楊枝は手みやげになりますか?
- 桐箱入りや名入れ、辻占楊枝など進物に向く品があり、日本橋の街歩きみやげにも選ばれます。
