2025年度の「べったら市」に備えて、今年も椙森神社へ行ってきました!
べったら市は、日本橋の秋を代表するお祭りで、椙森神社と宝田恵比寿神社を中心に毎年10月19日・20日に開催されます。商売繁盛や五穀豊穣を願う「恵比寿講」にあわせて行われ、江戸時代から約400年受け継がれてきた伝統行事です。
この記事では、2025年度のべったら市の最新情報とあわせて、べったら市の舞台のひとつである椙森神社をご紹介します。ご由緒やご利益、境内の見どころ、最新の参拝ポイントまで、写真たっぷりでお届けしますので、今年訪れる予定の方はぜひ参考にしてください。
去年もべったら市に参加してきました
べったら市は、椙森神社や宝田恵比寿神社の周辺で数百軒もの露店が立ち並び、街全体が活気に包まれるお祭りです。名物の「べったら漬け」は、麹の優しい甘みと大根のシャキシャキ食感が絶妙で、一度食べたら忘れられない味。ほかにも焼き物や和菓子、縁起物、工芸品などがずらりと並び、まるで江戸時代の市を歩いているかのような雰囲気が味わえます。

昨年も夕方から訪れましたが、提灯の明かりに照らされた境内と人々の笑顔が本当に印象的でした。屋台で買ったべったら漬けはあっという間に食べきってしまい、翌日も買い足しに行ったほど。毎年恒例になっている理由が、自分でもよくわかります。
べったら市とべったら漬けの魅力については、過去記事「日本橋のべったら市でべったら漬けを購入!【写真や感想】」でも詳しくご紹介していますので、ぜひあわせてどうぞ。

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そして、べったら市の歴史的背景にあるのが「恵比寿講(えびすこう)」。
恵比寿講とは、漁業や商売の神様である「恵比寿神(えびすしん)」をお祀りし、豊漁や商売繁盛を願う行事です。このため、べったら市は恵比寿神を祀る椙森神社と宝田恵比寿神社を中心に開催されるんです。
椙森神社は、べったら市 2025 を訪れるなら必ず立ち寄ってほしいスポット。
この後のセクションでは、境内の歴史や見どころ、そして宝くじ当選祈願で知られる「富塚の碑」についても詳しくご紹介します。
2025年度べったら市に備えて椙森神社へ
2025年のべったら市を前に、編集部では一足先に椙森神社を訪ねてきました。椙森神社は、べったら市の会場のひとつであり、宝田恵比寿神社と並んで恵比寿神をお祀りする神社です。
べったら市当日には、この境内や周辺に露店が立ち並び、名物べったら漬けをはじめとする漬物や和菓子、縁起物などが所狭しと並びます。お祭りのにぎわいを知っている方はもちろん、「今年が初めて」という方にも、この椙森神社の歴史やご利益を知ってから訪れると、より深く楽しめるはずです。
▼椙森神社の鳥居。境内へ続く参道は、朝の静けさと清らかな空気に包まれています。

椙森神社が創建されたのは、なんと平安時代。1000年以上の歴史を持ち、数々の逸話が語り継がれてきました。
特に有名なのは、平安時代の武将・藤原秀郷が「平将門の乱」鎮圧のために戦勝祈願をしたという逸話や、室町時代の太田道灌が干ばつから人々を救うために京都の伏見稲荷を勧請して雨乞いをしたという話です。
江戸時代になると「椙森稲荷」と呼ばれ信仰を集めましたが、火災で焼失。その再建資金を集めるために行われたのが、宝くじのルーツとなった「富くじ」です。
富くじは庶民の間で大人気となり、1920年にはその記念として富塚の碑が建立されました。残念ながら1923年の関東大震災で倒壊しましたが、1953年に再建され、現在も宝くじ当選祈願の聖地として多くの人が訪れています。
▼手水舎の右奥にひっそりと佇む「富塚の碑」。石碑には「水をかけないでください」と注意書きがありますが、それは“富を流さないように”という縁起担ぎからきています。

社殿は1931年、関東大震災後に鉄筋コンクリート造で再建されました。耐震性を意識した造りは当時としては珍しく、現在も中央区の文化財に登録されています。
▼椙森神社の社殿。べったら市の時期には参拝客や観光客で境内が埋め尽くされます。

椙森神社の御祭神やご利益について
椙森神社の主祭神は、べったら市でもお馴染みの恵比寿神。釣り竿と鯛を抱えた姿で知られる、漁業と商売の守護神です。恵比寿神は日本橋七福神の一柱で、商売繁盛や五穀豊穣のご利益があるとされます。
▼「恵比壽神 椙森神社」と書かれた看板。旧字体の「壽」が歴史を感じさせます。

このほか、農業繁栄の神「四大神」、縁結び・厄除けの「素戔嗚神」、市場の神「大市姫神」、商売繁盛の「倉稲魂神」、夫婦和合の「大己貴神」など、多彩な神々が祀られています。
一社でこれほど多くのご利益がいただける神社は珍しく、べったら市にあわせて参拝すれば金運・商売運・縁結び運まで一度に祈願できるのも魅力です。
椙森神社のアクセス情報
椙森神社は、日本橋の中心部・堀留町に鎮座し、べったら市のメイン会場のひとつでもあります。べったら市の時期には周囲の道路が歩行者天国となり、参拝と屋台めぐりを一度に楽しめます。
住所:〒103-0012 東京都中央区日本橋堀留町1-10-2
電話:03-3661-5462
参拝時間:24時間可能(社務所は9:00〜17:00が目安)
アクセスは非常に便利で、複数路線・駅から徒歩圏内です。
- 東京メトロ日比谷線 / 都営浅草線「人形町駅」 A5出口から徒歩5分
- 東京メトロ日比谷線「小伝馬町駅」 3番出口から徒歩5分
- 都営新宿線「馬喰横山駅」 A3出口から徒歩7分
- 東京メトロ銀座線 / 半蔵門線「三越前駅」 A7出口から徒歩8分
専用駐車場はありませんので、車の場合は近隣のコインパーキングを利用しましょう。
べったら市期間中は周辺が混雑するため、公共交通機関の利用がおすすめです。
ちなみに、人形町駅や三越前駅周辺には老舗グルメも豊富。たとえば、創業1760年の親子丼発祥の店「玉ひで」や、東京三大鯛焼きのひとつ「柳屋」、人形町今半のすき焼きなどは参拝帰りに立ち寄る価値があります。
べったら市当日は、椙森神社でお参り→べったら漬けの試食→甘酒横丁での食べ歩き、という“王道コース”が特に人気。初めての方でも効率よく満喫できます。
まとめ
椙森神社は、平安時代から続く歴史と、多彩なご利益を持つ由緒ある神社です。べったら市 2025 の会場のひとつとして、祭りの活気とともに味わえるのが最大の魅力。
境内には宝くじ発祥の地を示す「富塚の碑」があり、金運祈願に訪れる人も多く、社殿や石碑は中央区の文化財にも指定されています。べったら市のにぎわいの中で訪れれば、歴史と現代の活気が交差する不思議な空気を感じられるはずです。
今年のべったら市は、2025年10月19日・20日に開催予定。
詳細は「2025年度の日本橋べったら市はどこでいつから?【人形町】」の記事でも紹介しています。日程やイベント内容をチェックしてから訪れると、さらに充実した一日になります。
椙森神社はべったら市の2日間だけでなく、普段の参拝や御朱印巡り、宝くじ当選祈願にもおすすめのスポット。秋の日本橋散策のルートにぜひ加えてみてください。
それでは、椙森神社で皆さまに良いご縁と幸運が訪れますように。そして、べったら市の会場でお会いできるのを楽しみにしています!