三栄商会とは
三栄商会とは、日本橋蛎殻町1丁目にある、大工棟梁が戦後に手がけた木造のビル型建築です。中央区の近代建築物調査が、昭和20年(1945年)頃の創建として建物名で掲載しています。建築家の設計による例が多いビル建築のなかでは珍しく、職人の手による成り立ちを持つ建物です。
自転車屋の使い方が残る空間
中央区は、洋風の外観と高い天井を、自転車屋としての特徴を受け継ぐ要素に挙げています。商品を並べ、客を迎える店に必要だった空間のつくりが、そのまま建物の姿に残っているのでしょう。外壁の煉瓦や、上下に動かして開閉する上下窓にも、創建時の姿がよく留められていると説明されています。
蛎殻町1丁目に選ばれた5件のひとつ
中央区の近代建築物調査100選には、日本橋蛎殻町1丁目から5件が選ばれています。伍徳(大正3年)、永楽屋(大正14年)、ゾートスサロンひらさわ(昭和3年)、間瀬家住宅(昭和6年)、そして三栄商会(昭和20年頃)。ほかの4件が大正から昭和初期の木造店舗・住宅であるのに対し、三栄商会だけが戦後の建物です。一つの町を歩きながら、およそ30年分の建て方の移り変わりをたどれるところ。建物の個性をつかむには、素材・窓・天井の順に見るのが近道でしょう。
日本橋トピック♪木造なのに、区の一覧では「ビル」の側
「ビル」と聞くと鉄筋コンクリート造を想像しがちですが、中央区の見出しは三栄商会を「木造のビル型建築」と表現しています。一覧98件は種別で分けられていて、置かれているのは木造と名の付く55件ではなく、ビルの32件の側。構造は木造のまま、建ち方だけがビルの列に並んでいるわけです。二つの言葉の組み合わせが、戦後の街に現れた建築の性格を端的に伝えています。
三栄商会に関するよくある質問
- 三栄商会は指定・登録文化財ですか?
- 中央区の近代建築物調査は、区内に現存する概ね昭和40年以前の建築物を対象に、平成23年から3年かけて行われた調査です。三栄商会はその100選一覧に掲載されていますが、指定・登録文化財とは記載されていません。調査の対象であることと、文化財の指定・登録は分けて確認する必要があります。
- 見学することはできますか?
- 中央区は、調査対象に個人の住宅が含まれるため、見学の際は私有地に立ち入らないよう呼びかけています。一覧は平成27年時点のもので、その後の現況までは示されていません。

