伊勢重とは
伊勢重とは、東京都中央区の日本橋小伝馬町で明治2年(1869年)から続くすき焼きの老舗です。すき焼き店でありながら一階では精肉や牛肉の佃煮も商う一軒で、東京でもっとも歴史の長いすき焼き屋のひとつに数えられています。
明治2年、小伝馬町に始まったすき焼き
伊勢重が小伝馬町で暖簾を掲げたのは明治2年(1869年)のこと。牛肉を食べる習慣がまだ広まっていなかった時代に牛鍋屋として店を開き、それ以来150年あまり、同じ小伝馬町で家業を受け継いできました。
ここで気をつけたいのが、創業の年と今の建物は別の話だということ。明治2年は店が始まった年で、同じ場所で代を重ねてきましたが、いま建つ店舗そのものが明治からの建物というわけではありません。現在は六代目が暖簾を守っています。
手切りの和牛と、変わらぬ割り下
伊勢重のすき焼きは、職人が包丁で一枚ずつ切り分ける手切りの黒毛和牛が持ち味です。機械では届かない薄い筋の一本まで手で整える昔ながらのやり方を続けています。味つけのもとになる割り下も創業当時から受け継がれてきた秘伝で、炭火の入った水火鉢で煮るのも昔のままの流儀です。
食べるだけでなく、買って帰れる店
伊勢重は座敷で味わうだけの店ではありません。一階は精肉店も兼ねていて、牛肉や名物の牛肉の佃煮を量り売りや手みやげ用に買って帰れます。お座敷でのすき焼きは地下にあり、街歩きの途中に佃煮だけを求めて立ち寄る人もいます。定休日や営業時間は変わることがあるので、訪れる前に公式サイトで確かめておくと安心です。
Topic「伊勢重」という名は、鬼平の世界とつながっている?
すき焼きの店名としては少し変わった「伊勢重」という三文字。これは江戸時代の店名「伊勢谷重右衛門(いせやじゅうえもん)」に由来するとされています。六代目の当主によれば、池波正太郎の時代小説『鬼平犯科帳』にも「伊勢谷重右衛門が八十二両盗られた」というくだりが出てくるのだそう。江戸の屋号「伊勢谷」と当主名「重右衛門」の頭をつめて「伊勢重」。明治のすき焼き屋の名前に、江戸の商家の記憶がそのまま残っているわけです。
伊勢重に関するよくある質問
- 伊勢重は今も小伝馬町で営業していますか?
- 現在も東京都中央区の日本橋小伝馬町で営業を続けています(2026年6月時点・公式サイト確認)。地下のお座敷ですき焼きを味わえます。
- 伊勢重では食事のほかに牛肉や佃煮も買えますか?
- 買えます。一階が精肉店を兼ねていて、黒毛和牛の精肉や名物の牛肉の佃煮を手みやげ用に求められます。お座敷の食事は地下です。
- 「伊勢重」という店名は何に由来しますか?
- 江戸時代の店名「伊勢谷重右衛門」に由来するとされています。屋号の「伊勢谷」と当主名「重右衛門」の頭をつめて「伊勢重」になったと六代目当主が語っています。
