柴田是真とは
柴田是真とは、1807年(文化4年)に橘町二丁目、現在の東日本橋三丁目で生まれ、幕末から明治期に日本画と漆芸で活躍した作家です。日本橋で生まれた絵師であり、蒔絵師でもあるという二つの顔を持つ人物といえるでしょう。
東日本橋から絵画と蒔絵の世界へ
中央区の解説では、是真は宮大工の家に生まれ、11歳で蒔絵師・古満寛哉に入門しました。16歳から鈴木南嶺に絵画を学び、24歳になると京都で岡本豊彦の教えを受けています。
蒔絵は、漆の表面に金銀粉などで文様を表す技法です。是真は漆工芸と絵画を別々に扱わず、素材と描写の両方を行き来しながら表現を深めました。
どちらか一方だけでは、是真の制作の輪郭をつかめません。
法重寺に伝わる大きな滝の絵
中央区の文化財情報には、法重寺に伝わる1860年(万延元年)の大きな滝の絵があります。縦204.5cm・横113.8cmの大きな和紙に、崖から落ちる滝と水煙が描かれた1幅です。
人の背丈を超える紙面を思い浮かべると、滝の迫力を実感しやすいでしょう。
この作品では、輪郭線を引かず、墨の濃淡やぼかしで形を表す付立法が用いられています。漆の精密な仕事で知られる是真が、墨のにじみや余白でも水の勢いを表した点に、技法の幅広さが見えるでしょう。
日本橋とのつながりをどう見る?
是真の生まれた橘町二丁目は、現在の東日本橋三丁目にあたります。江戸の旧町名と現在の住所は同じ表記ではありませんが、日本橋地域から近代工芸へつながる人物として位置づけると、街と作品の関係がつかみやすくなります。
日本橋トピック♪紙に漆で描くと、絵画と工芸の境目が変わる
柴田是真は、紙の上に漆で描く漆絵も手がけました。器や箱を飾る素材と思われがちな漆を、絵を描く材料として扱ったところに、絵師と漆芸家を兼ねた是真らしさがあります。
柴田是真に関するよくある質問
- 柴田是真は画家ですか、漆芸家ですか?
- 日本画と漆芸の両方で活動した作家です。幼いころから蒔絵を学び、のちに四条派の絵画も修めました。
- 柴田是真の漆絵とはどのようなものですか?
- 紙の上に漆で描く表現です。器物の装飾に使われる漆を絵画の材料として扱うところに、是真の二つの専門が重なっています。
