高尾稲荷神社はなぜ遊女高尾太夫を祀る?頭蓋骨の謎とご利益

こんにちは!とーんと♡日本橋編集部です。
日本橋でふと地図アプリを開いたとき、こんな不思議な表記を見つけたことはありませんか?
日本橋箱崎町に鎮座する高尾稲荷神社のGoogleマップには、「遊女高尾太夫を祀る神社」と書かれているのです。
「神社なのに、神様ではなく遊女が祀られているの?」
そんな驚きと少しのミステリアスな好奇心を抱く方も多いはず。
実はこの高尾稲荷神社、全国的にも非常に珍しい「実物の頭蓋骨」を御神体として祀る、知る人ぞ知るパワースポットなのです。
今回は、オフィスビルの合間にひっそりと佇むこの神社が、なぜ「遊女」を祀ることになったのか。その悲しくも美しい伝説と、知っておきたいご利益について、編集部が現地調査しました。
日本橋の歴史散策の参考に、ぜひチェックしてみてくださいね。
高尾稲荷神社とは?日本橋箱崎町のマンション一角に佇む歴史スポット
高尾稲荷神社は、日本橋箱崎町のマンションと一体化した「鉄骨の鳥居」が目印の小さな神社です。
近代的なビルの谷間にありながら、ここだけ空気が少しひんやりと静まり返っているような、独特の存在感を放っています。
▼高尾稲荷神社の鳥居と社殿

鉄骨の鳥居と「富久長」の酒樽手水鉢が織りなす独特の景観
現在の社殿は2022年に建て替えられたもので、非常に新しく清潔感があります。
境内に入ってまず目を引くのが、手水舎の代わりに置かれた日本酒「富久長(ふくちょう)」の酒樽を利用した手水鉢です。
▼境内の手水鉢

広島の銘酒「富久長」と日本橋の縁
この酒樽は、高尾稲荷神社から徒歩10分ほどの場所にある老舗酒屋「今田商店」の本家(広島県・今田酒造本店)が醸造しているお酒です。
G7広島サミットでも振る舞われた銘酒の樽が、日本橋の歴史と静かにつながっています。
【アクセス・基本情報】社務所・御朱印はなく常時参拝のみ可能
高尾稲荷神社には社務所がなく、神職の方も常駐していません。
そのため、御朱印やお守りの授与は行われていませんが、24時間いつでも静かに手を合わせることができます。
アクセスは「水天宮前駅」から徒歩7分、「茅場町駅」から徒歩8分ほど。
隅田川の風を感じられる場所にあるので、散策の途中に立ち寄るのがおすすめです。
より詳しい行き方や周辺の目印については、日本橋 高尾稲荷神社のご利益やアクセス情報【名前の由来は?】の記事で写真付きで解説しています。
なぜ「遊女高尾太夫」を祀るのか?Googleマップ表記の背景と伝説
さて、ここからが本題です。
高尾稲荷神社のGoogleマップを見ると、以下のように「遊女高尾太夫を祀る神社」とはっきり表記されています。

高尾稲荷神社には、江戸・吉原で最高位の遊女だった「二代目 高尾太夫(たかおだゆう)」が祀られています。
通常、神社には「稲荷大神」などの神様が祀られますが、ここは一人の女性、それも遊女の魂を鎮めるために建てられた特別な場所なのです。
御神体は「実物の頭蓋骨」!全国的にも珍しい信仰の理由
最も衝撃的なのは、社の中に高尾太夫の実物の「頭蓋骨」が御神体として安置されているという点です。
これは都市伝説ではなく、神社の由緒として語り継がれている事実です。
「実体の神霊(遺骨)」を祀る稲荷社は全国的にも極めて珍しく、日本橋のオフィス街にひっそりと「骨」が眠っていることに、歴史の重みを感じずにはいられません。
仙台藩主・伊達綱宗による「吊るし斬り」伝説の真偽
なぜ、彼女の頭蓋骨がここに祀られることになったのでしょうか。
その背景には、歌舞伎や講談の演目「伊達騒動」でも描かれる、仙台藩主・伊達綱宗との悲恋伝説があります。
▼高尾稲荷神社の御由緒板

境内の由緒書きや伝承によると、物語は以下のように語られています。
語り継がれる高尾太夫の最期
仙台藩主・伊達綱宗は高尾太夫を寵愛し、大金を積んで身請けしました。
しかし、彼女には既に将来を誓い合った想い人がいたため、綱宗に従うことを拒みました。
激怒した綱宗は、隅田川の船上で彼女を斬り殺し(吊るし斬り)、遺体を川へ投げ捨てたとされています。
※歴史学的には、この「吊るし斬り事件」は俗説とされ、実際には天寿を全うしたという説もあります。
詳しくは【歴史まとめ】高尾太夫さんの言い伝えは本当にあった話なのかの記事で検証していますが、当時の人々が「そう信じたくなるほど」彼女の人生にドラマを見ていたことは間違いありません。
遺体が漂着した「豊海橋」と江戸の人々の同情が生んだ社
川に流された高尾太夫の遺体が流れ着いたのが、現在の日本橋箱崎町・豊海橋(とよみばし)のあたりでした。
近くに住んでいた僧侶が遺体を引き上げて手厚く葬り、その悲劇に涙した江戸の人々が社を建てて「高尾大明神」として祀ったのが、この神社の始まりです。
▼高尾稲荷神社の御由緒板(詳細)

300年以上もの間、日本橋の人々は彼女の魂に寄り添い続けてきました。
権力に屈せず愛を貫こうとした高尾太夫の姿は、現代で働く私たちの心にも強く響くものがあります。
当サイトの、
【歴史まとめ】高尾太夫さんの言い伝えは本当にあった話なのかという記事も是非ご覧ください♪
高尾太夫の才色兼備にあやかる!美容と縁結びのご利益
悲劇的な最期ばかりが注目されがちですが、高尾稲荷神社は、実は女性にとって嬉しいご利益がたくさんあるパワースポットです。
学業・技芸・美容から「夜の仕事」まで守る女性の味方
二代目高尾太夫は、単に美しいだけでなく、和歌や書道、茶道などの諸芸に秀でた才色兼備の女性でした。
その高い教養と美貌にあやかり、以下のご利益があると伝えられています。
- 技芸上達・学業成就(習い事や資格勉強に)
- 美容(美しさを磨きたい方に)
- 縁結び・夫婦円満(愛を貫いた一途な心から)
- 商売繁盛
また、遊女として生きた彼女は、夜の接客業に従事する女性の守り神としても信仰されており、切実な願いを受け止めてくれると言われています。
江戸時代の書物に残る「櫛(くし)」を使った幻の願掛け
高尾稲荷神社には、頭痛・ノイローゼ・薄毛など「頭にまつわる悩み」にもご利益があるという言い伝えがあります。
江戸時代の生活マニュアル本とも言える書物『願懸重宝記(がんかけちょうほうき)』には、当時行われていたユニークな祈願作法が記されています。
残念ながら現在この作法は廃れてしまいましたが、江戸の人々がどれほど高尾太夫に救いを求めていたかが伝わってきますね。
よくある質問(FAQ):高尾稲荷神社の参拝前に知りたいこと
- Q高尾稲荷神社の御朱印やお守りはありますか?
- A
高尾稲荷神社には社務所がないため、御朱印やお守りの授与は行っていません。
無人の神社ですが、常時参拝することは可能です。手水舎の代わりに「富久長」の酒樽を利用した手水鉢があります。
- Qなぜ「遊女高尾太夫を祀る神社」と書かれているのですか?
- A
江戸時代、仙台藩主・伊達綱宗に殺害され川に流された高尾太夫の遺体を弔うために建てられた神社だからです。
Googleマップの表記通り、神様ではなく実在した遊女の神霊を祀っており、社内には実物の頭蓋骨が御神体として安置されています。
- Q高尾太夫の吊るし斬り伝説は本当ですか?
- A
伊達綱宗による高尾太夫の吊るし斬り事件は、歴史学的には「俗説」とされています。
歌舞伎の演目「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)」などで広まった伝説ですが、実際には彼女は天寿を全うしたという説もあります。しかし、当時の人々が彼女を偲び、語り継いできた想いは本物です。
まとめ

高尾稲荷神社は、Googleマップの表記が示す通り、伝説の遊女・高尾太夫の魂と頭蓋骨を祀る、日本橋でも稀有な神社でした。
才色兼備ながら悲しい運命を辿った彼女だからこそ、現代に生きる女性の「仕事」「美」「愛」の悩みに、深く寄り添ってくれるのかもしれません。
鉄骨の鳥居と酒樽の手水鉢が醸し出す不思議な空間へ、ぜひ一度足を運んでみてください。
日本橋の喧騒を忘れるような、静かで濃密な時間があなたを待っています。
当サイトの、
【歴史まとめ】高尾太夫さんの言い伝えは本当にあった話なのかという記事も是非ご覧ください♪
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!
