大原第5ビルとは
大原第5ビルとは、日本橋横山町にある、昭和5年(1930年)創建のビルです。設計と施工を手がけたのは、清水建設の前身にあたる清水組。中央区の近代建築物調査100選に選ばれ、2026年9月時点でもテナントが入って使われています。
交差点の「隅切り」に合わせた角地の形
中央区は、この建物を「帝都復興により施された隅切りに対応した角地型のデザイン」と説明しています。隅切りとは、交差点に面した敷地の角を斜めに切り取った部分のこと。関東大震災(大正12年・1923年)からの復興事業で整えられた街角の形に、建物の輪郭そのものを合わせて建てたビルというわけです。
リノベーションで「人気ビル」に
中央区は、リノベーションによって人気ビルに再生できた好例と評価しています。一方で、階段室などには建築当初の姿がよく残るとも記しており、手を入れた部分と、昭和5年のままの部分が同じ建物に同居しているのが特徴です。清水組が震災前の明治38年(1905年)から大正12年(1923年)に手がけた建物の図面は「彩色設計図集」として残っており、大原第5ビルはその後、復興した街に同じ清水組が建てた一棟にあたります。
日本橋トピック♪昭和5年は「帝都復興」を祝った年
大原第5ビルが建った昭和5年(1930年)の3月、東京では関東大震災からの復興を祝う帝都復興祭が開かれ、26日には帝都復興完成式典が行われました。震災から6年余り。復興で生まれた街角の形を、ちょうどその年に建ったビルが外観に写し取っているわけです。角の斜めの壁面を見かけたら、震災のあとに引き直された道の線が、そこに残っていると思って眺めてみてください。
大原第5ビルに関するよくある質問
- 大原第5ビルは文化財に指定されていますか?
- 中央区の近代建築物調査は、区内に現存する概ね昭和40年以前の建築物を対象に、平成23年から3年かけて行われた調査です。大原第5ビルはその100選一覧に掲載されていますが、指定・登録文化財とは記載されていません。調査の対象であることと、文化財の指定・登録は別のものです。
- 建物の中を見学できますか?
- テナントが入って使われている民間のビルで、見学施設ではありません。中央区も、調査対象の建物を見に行く際は私有地に立ち入らないよう呼びかけています。

