三越劇場とは

三越劇場とは、日本橋三越本店の本館6階にある劇場で、1927年(昭和2年)に「百貨店の中の劇場」として誕生した歴史ある空間です。開場当時のままのステンドグラスや大理石の内装が残り、いまも落語会や演劇などの公演が行われています。買い物のついでに本格的な舞台を楽しめる、日本橋ならではの場所といえるでしょう。

目次

震災からの「文化的な復興」として生まれた

三越劇場が生まれるきっかけは、1923年(大正12年)の関東大震災でした。日本橋三越本店も大きな被害を受け、その再建にあたって「建物だけでなく、文化的な復興も必要だ」という想いから劇場がつくられたと伝えられています。こうして1927年(昭和2年)、本館6階に「三越ホール」が開場しました。

戦時中は一時閉鎖されましたが、戦後の1946年(昭和21年)に再開します。当時は多くの劇場が戦災で失われていたため、貴重な舞台の場として重宝されました。デパートの上階に本格的な舞台がある。その姿は、開場からほぼ変わらず受け継がれてきました。

三越本店の「劇場」「像」を取り違えないために

日本橋三越本店には名所が集まっているので、場所を少し整理しておくと迷いません。三越劇場があるのは本館6階。よく一緒に語られる三越のライオン像は本館の正面入口、天女(まごころ)像は本館1階の中央ホールにあり、それぞれ同じ本館の中の別の場所です。「三越劇場で天女像を見る」といった取り違えをしないよう、観劇と館内さんぽは分けて計画すると安心でしょう。最寄りは三越前駅で、地下から本店へ直結しています。

いま観られる公演と楽しみ方

三越劇場は514席の中規模ホールで、2026年6月時点も公演が続いています。長く親しまれているのが三越落語会。回を重ねて600回を超える長寿の会になりました。ほかにも新派や歌舞伎などの演劇、夏休みや冬休みの子ども向け公演などがあり、演目は時期で替わります。

華麗な内装そのものも見どころです。ステンドグラスをはめ込んだ天井や、石膏彫刻に彩られた壁が当時のまま残り、客席に座っているだけで大正から昭和の空気を味わえます。観劇の予定がなくても、本店の歴史を感じる名所として覚えておくとよいでしょう。

Topic「三越劇場」という名前はいつ付いた?

開場した1927年の呼び名は、じつは「三越劇場」ではなく「三越ホール」でした。戦後の1946年、初代・中村吉右衛門の一座による歌舞伎の上演をきっかけに芝居の催しが増え、この頃に名前が「三越劇場」へと改められたと伝えられています。デパートのホールが、本格的な歌舞伎の舞台を機に「劇場」と呼ばれるようになったわけです。名前の変わり目に、戦後の演劇文化を支えた一場面が隠れています。

三越劇場に関するよくある質問

三越劇場の座席数はどのくらいですか?
514席で、1階に402席、2階に112席があります。百貨店の中の劇場としては本格的な規模で、落語から演劇まで幅広い舞台に使われています。
公演を観なくても三越劇場の内装は見られますか?
内装の見学は公演やイベントの開催状況によります。普段は客席に入る機会が限られますが、見学会が企画されることもあるため、訪れる前に公式の案内を確認すると安心です。
三越劇場の内装はなぜ価値が高いのですか?
ステンドグラスの天井や石膏彫刻の壁など、1927年の開場当時の装飾がほぼそのまま残っているためです。2016年に本館が国の重要文化財に指定された際、この劇場の装飾様式も評価の対象になりました。

三越劇場に関連する記事

目次