木屋とは

木屋とは、東京都中央区日本橋に本店を構える刃物の老舗です。包丁や鋏、爪切りといった暮らしの刃物を扱い、寛政四年(1792年)の創業から200年以上、日本橋で暖簾を守り続けています。読みは「きや」です。

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寛政四年、本家からの暖簾分けで始まった刃物店

刃物の木屋が独立したのは寛政四年(1792年)の四月。初代の加藤伊助が、本家にあたる「木屋」から打刃物(うちはもの)を扱う商いで暖簾分けを許され、店を構えたのが始まりだといいます。打刃物とは、鋼を打ち鍛えて作る刃物のことです。

本家の木屋は、じつは刃物専門ではありませんでした。小間物や塗物、蝋燭などを幅広く扱う、今でいう総合商社のような大店(おおだな)だったと公式に記されています。その本家が室町で大きく栄え、いくつもの暖簾分けの店が並んだ中の一軒が、この刃物の木屋でした。初代は伊勢国桑名(今の三重県桑名市)の出身で、故郷の名産だった金物を商いの軸に選んだとされています。

包丁から爪切りまで、暮らしの刃物をそろえる

木屋といえば、まず包丁。和包丁から洋包丁まで幅広くそろい、料理好きの間で長く親しまれてきました。あわせて鋏(はさみ)や爪切り、調理道具など、切れ味が物をいう道具を数多くそろえています。

刃物のほかにも、博多水引や小倉織といった日本各地の手仕事の品が並ぶこともあります。「よく切れる道具を長く使う」という日本橋の老舗らしい姿勢が、品ぞろえからも伝わってくるでしょう。

本店はコレド室町、三越前駅からすぐ

日本橋木屋本店は、コレド室町1の1階(中央区日本橋室町2丁目)にあります。最寄りは銀座線の三越前駅で、地下からそのまま入れる場所です。創業は1792年ですが、本店がこの場所に移ったのは2010年のこと。長い歴史の中で店は何度か場所を移してきたので、創業当時の建物がそのまま今あるわけではありません。

街歩きの途中、切れ味のよい包丁や爪切りを探しに立ち寄る人も多いお店。料理道具を見るのが好きな人には、のぞいてみる価値がありそうです。営業時間は変わることもあるので、訪れる前に公式サイトで確かめておくと安心でしょう。

Topic「木屋」はもともと刃物屋ではなかった?

江戸の昔、室町には木屋の紺のれんがいくつもはためいていました。明治三十四年(1901年)に刊行された『東京名物志』には「室町に花咲く木屋の紺のれん」という一節が残されています。本家の木屋が将軍家や諸大名のひいきを受けて大きく栄え、暖簾分けの店が室町一帯に並んでいた、その盛況ぶりを伝える言葉です。当時の室町は、いわば一族の屋号が街の風景をつくっていた場所でした。今のコレド室町のあたりを歩きながら、紺色ののれんが連なる江戸の通りを思い描いてみるのも一興かもしれません。

木屋に関するよくある質問

木屋はなんと読みますか。「きや」ですか「もくや」ですか?
「きや」と読みます。各地に同じ屋号の店がありますが、この用語が指すのは日本橋の刃物の木屋です。
暖簾分けの本家やほかの木屋は今もあるのですか?
本家は戦後に店を閉じ、現在は刃物の木屋が「木屋」を名乗る唯一の店として続いているとされています。代表は初代から数えて9代目にあたります。
公式サイトに載る小舟町の住所と、本店のあるコレド室町は違う場所ですか?
別の場所です。小舟町にあるのは会社の本社(オフィス)で、買い物ができる本店はコレド室町1の1階(日本橋室町2丁目)にあります。

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