日本橋魚市場絵図面とは

日本橋魚市場絵図面とは、江戸時代後期の日本橋魚市場の売場構造や権利関係を記した、中央区指定有形文化財の古文書です。日本橋川北岸の魚河岸がどのように商いの場を組み立てていたのかを、図面から具体的にたどれる資料として位置づけられます。

絵図面が見せる魚河岸の広がり

中央区の文化財情報では、種別は区指定有形文化財の古文書、員数は3巻とのこと。年代は延享2年(1745年)、天保8年(1837年)、天保13年(1842年)にまたがり、指定日は2011年4月1日です。

関東大震災以前、鮮魚類の荷揚げや取引の中心は日本橋川北岸の河岸地にありました。築地や豊洲の市場を思い浮かべる読者も多いはずですが、この資料が見せるのは、江戸から東京へ続く魚の流通が日本橋周辺に集まっていた時代です。

とくに「魚市場納屋板舟絵図面」とされる巻子には、桟橋12カ所、裏納屋と表納屋50軒、上水井戸25カ所、見世棚126カ所などの記載。数字だけを見ると細かな台帳のようですが、実際には魚を降ろす場所、保管する場所、売る場所がぎゅっと重なった街の設計図に近い資料といえるでしょう。

魚河岸を「昔あった市場」で終わらせない見方

日本橋魚市場絵図面を読むと、日本橋川、江戸橋日本橋室町日本橋本町といった街歩きで目にする地名が、魚の流通と結びついて見えてきます。単なる古い絵ではなく、川沿いの地形と商売の仕組みを重ねて読む手がかりです。

ここで注意したいのは、資料に描かれる魚市場は現地で営業する市場案内ではないこと。今の買い物情報を調べるページではなく、日本橋に魚河岸があった時代の空間を理解するための入口として見ると、関連する用語にも自然につながります。

日本橋トピック♪板舟は魚河岸の小さな売り場だった?

中央区の解説では、絵図面に「板舟」そのものの記載はない一方、幅約70cm、長さ約150cmほどの平板として紹介されています。大きな店舗ではなく、限られた間口に小さな売り台が並ぶ様子を想像すると、魚河岸の密度がぐっと実感しやすくなるでしょう。

日本橋魚市場絵図面に関するよくある質問

絵画作品として見る資料ですか?
鑑賞用の絵というより、売場や権利関係を整理した実務寄りの記録です。図として見ながら、江戸の商いの配置を読む資料と考えると分かりやすいでしょう。
街歩きではどんな見方に役立ちますか?
日本橋川や江戸橋の近くを歩く時、川沿いが物流と商いの場だったことを重ねて見られます。橋や地名を、魚の流通という切り口で読み直すきっかけになります。

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