こんにちは!
とーんと♡日本橋編集部です。
日本の染織家である「森口邦彦(もりぐち くにひこ)」は、2007年に『友禅』の分野で重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されたことで知られています。
そこで今回は、森口邦彦の生い立ちや人間国宝認定の経緯などを紹介します。
また、森口邦彦が創る着物の魅力と値段、三越との関係なども解説しているので、興味のある方はぜひ最後まで目を通してみてくださいね!
森口邦彦とは?人間国宝に輝く友禅作家の歩み
森口邦彦は、1941年に京都府京都市で生まれました。
1963年に京都市立美術大学日本画科を卒業、その後はフランスの国立高等装飾美術学校へ留学し、グラフィックデザインを学んでこられました。
帰国後、父である染織家「森口華弘(もりぐち かこう)」のもとで友禅技法の修行をスタート。
1967年に日本伝統工芸展での初入選を果たし、2年後の日本伝統工芸展では友禅訪問着『千花』でNHK会長賞を受賞。
その後もさまざまな賞を受賞し、2001年に紫綬褒章、2007年に「友禅」の分野で重要無形文化財保持者に認定されました。
なお、父の森口華弘も1967年に「友禅」の分野で人間国宝に認定されており、親子2代にわたって日本の染織界を牽引してきたと言っても過言ではありません。
森口邦彦は森口邦彦ならではの友禅を確立させ、森口華弘とは異なる世界を表現していることが高く評価されています。
森口邦彦の着物の特徴|伝統技法と現代デザインの融合
そんな森口邦彦が創る着物は、伝統技法と現代デザインを融合した唯一無二の作品であるのが特徴。
銀座もとじ
友禅といえば草や花などの自然をモチーフにしたものが多いですが、森口邦彦の作品は六角形をはじめとする幾何学模様で奥行きや存在感を表現しているものが多いです。
単なる『友禅』という伝統技法を用いるだけでなく、フランスの国立高等装飾美術学校で学んだグラフィックデザインを組み合わせることで、新しい友禅の世界を生み出してこられました。
インパクトの強い幾何学模様ですが、着物を身につけたときに身体の曲線が美しく見えるようにと計算したうえで配置されているのも大きなポイントです。
森口邦彦の代表作は以下のとおり。
- 渓流
- 千花
- 霊明
- 九重亀甲花文
- 位相市松斜方形文
- 白地位相割付文 実り
ほかにも森口邦彦が手がけた作品はたくさんあるので、興味のある方は『日本工芸会』公式サイトから検索してみてください!
森口邦彦の着物の価格帯とその価値|三越との関係についても
森口邦彦の着物は、国内の京都国立近代美術館をはじめ、海外のメトロポリタン美術館やヴィクトリア&アルバート美術館などにも所蔵されています。
このように、国内外から高く評価されている森口邦彦の着物は、非常に価値が高いとえます。
価格帯は50〜100万円、着物の状態によっては100万円以上の値段がつくことも。
美術館や呉服店などで森口邦彦の個展が開かれることがあるので、実際に作品を見てから購入することも可能ですよ。
また森口邦彦といえば、三越百貨店のショッピングバッグ『実り』のデザインを手がけたことでも知られています。
伊勢丹三越「MINORI」
ショッピングバッグのデザインが『実り』に一新されたのは2014年4月のことで、昨年の2024年に10周年を迎えました。
赤と黒色の幾何学模様が特徴的なこのデザインは、友禅訪問着「白地位相割付文 実り」をもとにしており、たわわに実るりんごを表現しているのだとか。
三越で買い物をすることで、森口邦彦が手がけた作品やその魅力に気軽に触れることができますよ。
気になる方は、ぜひ三越百貨店に足を運んでみてくださいね!
まとめ
森口邦彦は、父の森口華弘と2代にわたり『友禅』の分野で重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されました。
森口邦彦が創る着物は、六角形をはじめとする幾何学模様がデザインされており、大胆かつモダンな印象を与えます。
身につけたときに美しく見えるようにと計算されているので、身につけていないときと身につけたときでは印象が大きく異なるのも特徴です。
美術館や呉服店などで開かれる個展でも鑑賞・購入することは可能なので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね!