こんにちは!
とーんと♡日本橋編集部です。
今回はスタッフブログとして日本の刺繍家である「福田喜重(ふくだ きじゅう)」さんのご紹介を致します。
1997年に「刺繍」の技法において、国内で初の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されたことでも知られています。
そこで今回は、福田喜重の生い立ちや人間国宝認定の経緯などをまとめてみました。
また、作品の特徴や購入方法なども解説するので、興味のある方はぜひ最後まで目を通してみてくださいね!
人間国宝 福田喜重とは – 刺繍界の巨匠の生涯と功績

福田喜重は、1932年に京都市中京区で生まれました。
父の喜三郎が刺繍業としてお店を営んでいたことから、福田喜重も15歳で刺繍を学ぶことになります。
厳しい修行を重ねたのち、1971年に福田工芸染繍研究所を設立。
1976年には第23回日本伝統工芸展に初入選を果たし、その後も第15回日本伝統工芸染織展優秀賞などさまざまな賞を受賞しています。
また、福島県立美術館や文化庁が主催する「日本のわざと美」展などにも出品し、着実に功績を挙げていきました。
そんな中、1997年に「刺繍」の技法で重要無形文化財保持者に認定されます。
国内において、刺繍の分野で人間国宝に認定されたのは福田喜重ただ1人です。
これまで多数の作品を生み出してきた福田喜重ですが、残念ながら2022年12月に90歳で永眠されました。
福田喜重の刺繍技法と作品の特徴
福田喜重の刺繍技法において特徴的なのは、”色づかい”です。
植物や鳥、空などの自然のモチーフを、箔や金泥、そして柔らかな色合いや繊細なグラデーションを用いて表現。
福田喜
福田喜
一見控えめでありながらも、その作品からは奥行きやしなやかな動きが伝わってきます。
施された作品はどの角度から見ても美しく、その完成度の高さは多くの方を魅了しています。
福田喜重作品の価値や買取相場とは
福田喜重の作品は、人間国宝が手がけた作品ということもあり、価値は非常に高いといえます。
汚れやシミなどがなくきれいな状態であれば、1枚あたり7万円程度の買取価格になるケースが多いです。
また、刺繍の範囲が広く手の込んだ作品はさらに高値がつくことも。
すでに福田喜重の作品をお持ちの方や、これから購入を検討している方も、保管の際は十分に気をつけていただきたいと思います。
福田喜重作品の鑑賞・購入方法
高い評価を得ている福田喜重の作品ですが、「1度は見てみたい」という方もいらっしゃるでしょう。
福田喜重の作品は、展示会や美術館で鑑賞することが可能です。
展示会はタイミングが合わないと難しいかもしれませんが、呉服店や美術館などで度々開催されています。
また、石川県の国立工芸館には「刺繍訪問着 生々去来」、三重県の神宮美術館には「繍箔訪問着 銀杏七宝文」が所蔵されています。
購入を検討している場合は、呉服店やネットなどで購入可能です。
価格は状態にもよりますが、安価なもので5〜15万円、高価なものでは100万円以上する作品もあります。
ただし、ネットだと本物かどうかを見分けることが難しいため、可能であれば呉服店などで実際に見てから購入するのがおすすめです。
ここで、福田喜重の作品かどうかを見分けるポイントが1つあります。
それは、作品が完成したことを証明する、作者の「落款」です。
いわゆるサインや名札みたいなもので、着物の価値を知るうえでの大切な判断材料となります。
福田喜重の作品には、尊敬する父の名前「喜三郎」や自身の名前「喜重」が落款として使われています。
なお、漢字は「喜」の異体字である「㐂」が使われているので注意してくださいね。
まとめ
福田喜重は、「刺繍」の分野で重要無形文化財保持者(人間国宝)の認定を受け、さまざまな賞を受賞している素晴らしい方です。
刺繍の色づかいが特徴的で、グラデーションなどを用いた奥行きのあるデザインを得意としています。
残念ながら2022年12月に90歳で永眠されましたが、福田喜重が手がけた作品は今も多くの方から高い評価を獲得しています。
作品は展示会や呉服店などで鑑賞・購入が可能なので、興味のある方はぜひ福田喜重の世界観を堪能してみてください!
とーんと♡日本橋では、福田喜重と同じく人間国宝に認定されている、染織家の「北村武資(きたむら たけし)」に関する記事も公開しています。
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