こんにちは!とーんと♡日本橋編集部です。
日本のきもの文化の粋を集めた国内最大規模の展示販売会「第42回きものナンバーワン」が、2025年2月14日から16日までの3日間、ベルサール新宿グランドの1Fイベントホールにて開催されました。
今回は広い会場内で、きものや宝飾品が10,000点以上展示され、人間国宝の作品から全国の伝統工芸品まで、日本の着物文化が一堂に集まりました。さらに今回の特別展示では、著名な着物コレクターである故・池田重子氏が収集した多くの価値ある着物コレクションも紹介され、彼女の生誕100周年を記念した特別展示も行われ多くの人にご来場いただくイベントとなりました。

<主催者からのごあいさつ内容>
池田重子コレクションTHE BESTは、当代随一のきものコレクター故池田重子氏が2025年、生誕100周年を迎える記念として、池田重子氏の厳選されたコレクションを「最上級の日本のおしゃれ」をコンセプトにコーディネートした珠玉の作品を展覧致します。
日本のきもの文化の黄金期である明治、大正、昭和初期の贅を尽くしたきものが時代を超えてさらに洗練された「粋とモダン」としてよみがえります。日本美の神髄をぜひご堪能下さい。
また、人間国宝の森口邦彦氏による現代感覚の友禅や、故・福田喜重氏の刺繍作品など、最高峰の技術が結実した逸品の数々を間近でご覧いただけるイベントとなっておりましたのでこの度、記事としてご紹介させていただきます!
国内最大規模の着物イベント「きものナンバーワン」について
「きものナンバーワン」はとーんと♡日本橋の運営元企業でもある私たち株式会社ツカモトコーポレーションのグループ中で、きものを専門に取り扱うツカモト市田株式会社が主催となった国内最大規模のきものイベントです。
会場への入場には招待状が必要となっており、日本の着物文化の粋を集めた一大イベントとして、多くの来場者を魅了し続けています。
池田重子氏の生誕100周年を記念した特別展示について

第42回「きものナンバーワン」では、日本の伝統美を象徴する特別展示として、故・池田重子氏の貴重なコレクションが紹介されました。池田重子氏(1925-2015)は、日本を代表する和装品コレクターであり、長年にわたり着物の美しさを発信し続けた人物です。「美しいキモノ」での連載や、独自のコーディネートで着物文化に多大な影響を与えました。

−−−池田重子氏のコレクション収集のきっかけ
池田重子氏のコレクションは、明治から昭和初期にかけてのきもの、帯、和装小物など約5万点に及び、日本でも有数の規模を誇ります。収集のきっかけは、あるオークションでの帯留との出会いと言われています。その後、彼女は30年以上にわたり全国各地の逸品を集めながら、日本の伝統美を伝える活動を続けました。
1993年には、自身のコレクションをボディに着装して展示するという画期的な手法で「日本のおしゃれ展」を開催。これにより、単なる着物の紹介にとどまらず、日本人の美意識や高度な染織工芸技術を効果的に伝え、アンティーク着物ブームの火付け役となりました。その影響は今なお色褪せることなく、多くの和装愛好家に受け継がれています。



また、今回の「きものナンバーワン」では、池田重子氏が生前に収集された半衿や、小物の復刻版も展示されました。同氏の美意識が反映されたコーディネートや、色使いの美しさを間近で見ることができ、日本の着物文化の奥深さを改めて感じることのできる品の数々でした!



【人間国宝エリアも】きものナンバーワンではさまざまな品が出展
第42回きものナンバーワンでは、人間国宝の方をはじめとする日本の伝統工芸の技術を目の当たりにできる作品の展示エリアもございました。

森口邦彦(もりぐち くにひこ)氏
森口邦彦氏は、友禅染の技術を革新し、現代的なデザインを取り入れた作品で知られる染色家です。伝統的な技法を守りつつも、新しい感性を融合させた作品は国内外で高く評価され、重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されています。

福田喜重(ふくだ きじゅう)氏
福田喜重氏(1932-2022)は、刺繍の分野で卓越した技術を持つ工芸家です。繊細で緻密な刺繍技法を駆使し、着物や帯などに独自の美を表現しています。その功績が認められ、重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されました。

北村武資(きたむら たけし)氏
北村武資氏(1935-2022)は、経錦(たてにしき)という高度な織物技術の第一人者です。伝統的な技法を継承しつつ、独自の創意工夫を加えた作品は高い評価を受け、重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されています。

これらの方々の作品は、日本の伝統工芸の粋を集めたものであり、卓越した技術や芸術性を間近で鑑賞できる貴重な機会となりました。
日本三大紬の出展「牛首紬」「大島紬」「結城紬」
42回きものナンバーワンには日本三大紬である「牛首紬(うしくびつむぎ)」「大島紬(おおしまつむぎ)」「結城紬(ゆうきつむぎ)」の出展もございました(以下、五十音順にて記載)。
「牛首紬」「大島紬」「結城紬」は、それぞれ長い歴史と独自の技術をもっており、歴史や伝統、技術、認知度など様々な要素によって日本三大紬として認知されております。
牛首紬:平治の乱(1159年)にまで遡る歴史を持ち、石川県の無形文化財に指定されています。
大島紬:奈良時代以前からの泥染め技法が特徴で、「西の横綱」と称されます。
結城紬:奈良時代から続き、ユネスコ無形文化遺産にも登録されています。
牛首紬(うしくびつむぎ)について

牛首紬は、石川県白山市の旧牛首村(現・白峰地区)で生産されている紬織物です。
その歴史は、1159年の平治の乱で敗れた源氏の落人がこの地に流れ着き、機織りを伝えたことに始まるとされています。二頭の蚕が作る「玉繭」から手作業で糸を紡ぐ「のべびき」という技法を用いており、丈夫でハリのある風合いが特徴です。


お話をお伺いしたところ、双子の繭は100個に2-3個の割合でうまれるそうです。
その強度から「釘抜き紬」とも呼ばれ、釘に引っ掛けても破れず、釘が抜けるほどの耐久性を持ちます。
大島紬(おおしまつむぎ)について

大島紬は、鹿児島県奄美大島で生産され、奈良時代以前から歴史のある絹織物です。
特徴的な「泥染め」は、車輪梅(テーチ木)という奄美大島に多く自生するバラ科の常緑木の染料に浸した糸を泥田で揉み込むことで、深みのある黒色と独特の光沢を生み出します。シワになりにくく、軽やかな着心地が魅力で、おしゃれ着として幅広く愛用されています。
結城紬(ゆうきつむぎ)について

結城紬は、茨城県結城市を中心に奈良時代から生産されている高級絹織物です。
養蚕が盛んな地域で、副業として紬が作られていたことが始まりとされています。真綿から手で紡いだ糸を使用し、ふんわりとした肌触りと温かみのある着心地が特徴です。

着るほどに体に馴染み、柔らかくなるため、「一度寝間着にしてから外出着にする」とも言われています。
長年培われた技術や染色作家の方など幅広い内容も魅力
きものナンバーワンは長年培われた技術や染色作家の方など幅広い内容があることも魅力の1つで、もう少し記事にお付き合いいただけますと幸いです!
一色生子氏について

一色生子さんは、東京デザイナー学院卒業後、染織家として活動する作家です。自然や草花をモチーフにした作品が特徴で、「濡れ描き友禅」という技法を用いています。
きものナンバーワンでは「創作素描き作家」という表記もありました。

この技法では、生地を濡らしながら色を重ね、独特のぼかしを生み出します。2019年には画業40周年記念個展「今を生きています」を開催し、2024年5月にも「一色生子展」が開かれました!
伝統工芸 江戸小紋について

江戸小紋は、江戸時代から続く型染め技法で、遠目には無地に見えるほど細かい文様が特徴です。もともと武士の裃に用いられていましたが、江戸中期以降、町人の間でも広まりました。制作には、三重県鈴鹿市で作られる「伊勢型紙」を使用し、染職人が20cmほどの型紙を継ぎ目なく合わせて染め上げます。1955年には小宮康助が人間国宝に指定され、これを機に「江戸小紋」という名称が確立しました。
江紋屋と粋凛香について

江紋屋は、東京染小紋や更紗、紅型などを手掛けるメーカーで、代表の三田村浩幸氏は30年以上にわたり江戸小紋に携わっています。『粋凛香』は、東京染小紋初の女性伝統工芸士・岩下江美佳さんのブランドで、2008年に三田村氏とともに立ち上げました。岩下さんの作品は、多彩染めやぼかし技法を取り入れ、現代的な色彩と上品なデザインが特徴です。すべて一点物で、月に20反しか製作されないため、希少価値が高いブランドとして知られています。
織文意匠鈴木について

織文意匠鈴木は、1907年(明治40年)に京都の大徳寺門前で創業した西陣織の織元です。創業者の鈴木亥之助は、京都国立博物館の能装束や、明治25年発刊の「織文類纂」に影響を受け、「織文意匠」というブランド名を確立しました。西陣織の伝統を守りつつ、15業種の職人と協力して高品質な織物を生み出しています。≈
和田光正氏について

和田光正氏(1940-2024)は、金彩友禅の第一人者として知られる作家です。15歳で修行を始め、22歳で独立。150色以上の金銀箔粉を使う「金彩友禅」の技法を確立しました。1980年に文部大臣奨励賞を受賞し、2003年には「現代の名工」に選ばれました。また、2012年には瑞宝単光章を受章。昭和45年に設立した光映工芸では、着物や和装品の創作に加え、新ブランド『MIZVADA』を展開し、伝統技術をバッグなどにも応用しました。
佐志め織物について

佐志め織物は、1924年に佐藤志め氏が創業した山形県米沢市の織物工房で、雨コート専門の織屋として発展しました。ジャカード織機を使用し、先染めの絹糸で繊細な紋様を織り上げる技術が特徴です。主力商品「天平錦」は、約4,000本の経糸を使い、高密度な撥水生地を実現しています。現在は四代目・佐藤亨定氏が「五百機織」のブランドで、新たな商品開発に取り組んでいます。
【まとめ】次回のきものナンバーワン(2026予定)も是非、ご参加ください!
今回、2025年2月に開催された第42回「きものナンバーワン」は、日本の伝統美を象徴する着物や工芸品が一堂に会する、貴重な展示販売会となりました。池田重子氏の生誕100周年記念特別展示をはじめ、人間国宝による作品展示、日本三大紬の紹介など、見どころ満載のイベントとなり、多くの方々にご来場いただきました。
次回、2026年に予定されている「きものナンバーワン」でも、さらに魅力的な展示や企画が予定されております。日本が誇る染織技術の粋を感じることができるこのイベントは、着物愛好家だけでなく、初めて和装に触れる方にもおすすめです。招待状が必要な特別な機会となりますので、ご興味のある方はぜひお早めに情報をチェックしてください。
「きものナンバーワン」は毎年2月中旬の開催が通例となっておりまして、2026年も2月中旬に開催される可能性が高いため、新たな情報が更新されましたら随時お知らせ致します♪
来年も「きものナンバーワン」で、日本の伝統美と職人の技を存分に味わいましょう!
【さいごに】運営会社の株式会社ツカモト市田について
「きものナンバーワン」の主催である株式会社ツカモト市田は、株式会社ツカモトコーポレーション(東京証券取引所スタンダード市場)のグループ企業として、日本の和装文化の継承と発展に貢献しています。
本社は東京都中央区日本橋本町にあり、京都市上京区にも拠点を構え、全国の老舗呉服店や職人との強固なネットワークを活かし、高品質な着物や帯、和装関連商品を提供しています。特に、人間国宝の作品や日本各地の紬など、貴重な伝統工芸品の取り扱いにも力を入れ、日本の染織文化を未来へつなぐ架け橋としての役割を果たしています。
今後もツカモト市田では「きもの」に関する情報を発信してまいります。
イベントや取り扱い商品については、ぜひツカモト市田の公式サイトをご確認ください。
会社概要
項目 | 詳細 |
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社名 | ツカモト市田株式会社 |
代表者 | 代表取締役社長 古川和秀 |
本社所在地 | 〒103-0023 東京都中央区日本橋本町1-6-5 ツカモトビル1F |
京都店所在地 | 〒602-8335 京都市上京区一観音町428 とみやビルディング7・8階 |
資本金 | 9,500万円 |
設立 | 2017年 |
取引銀行 | 三菱UFJ銀行 |